老舗球団の一大転機となるのか――。阪神は21日に大阪市内の電鉄本社で記者会見し、藤原崇起オーナー(70)が退任し、同日付で阪急阪神ホールディングス(HD)社長の杉山健博氏(64)が新オーナーに就任したと発表した。2006年に経営統合した阪急と阪神だが、阪急出身オーナーの誕生は初めてで、早くも波紋を呼んでいる。
球団はオーナー人事と併せ、秦雅夫阪神電鉄社長が代表取締役会長に就任することも発表した。慣例ではオーナー職は代表取締役、取締役会長を兼任したが、新オーナーに代表権はなく、新会長が代表権を持つこれまでにない人事となった。退任した藤原氏は自らの決定であるとし「両名が力を合わせて二人三脚でけん引していく体制が球団にとって最善」と説明。杉山新オーナーは「阪急出身ということは全く意識しておりませんし(秦会長と)2人で力を合わせて阪神タイガースを強くする。来シーズンの優勝に導く。これがミッション」と力を込めた。
とはいえ今後のタイガースの〝あり方〟が変わる契機にもなりそうだ。今回、阪急出身の人材をオーナーに登用した背景には、HD会長の角和夫CEOの意向が働いているとされる。タイガース関連では矢野前監督の後任人事に続き、フロント人事にも阪急側の意向が反映された形だ。
18年以降、新入社員の一括採用などHD内でも阪神と阪急の垣根は低くなっているが、タイガースは06年の経営統合後も全て阪神側の専権事項として組織をドライビングしてきた。現場では今回の人事に否定的な声もあり「来年に関しては優勝できても、できなくても責任は阪急にある」と言う球団関係者もいる。
もちろん、今回の人事が阪急阪神グループの一大シンボルでもあるタイガースに繁栄をもたらすか否かは、まだ誰にも分からない。一方で、新体制が良くも悪くも〝ジャッジ〟されるタイミングは約半年後に必ずやってくる。毎年6月に行われる阪急阪神HDの株主総会だ。
「株主さまだって岡田監督就任に至った背景はもちろん知っているだろうし、さらに今回の人事となれば『結局、阪急はタイガースで何がしたいの?』と思うことは至極、当然のこと。成績次第ではHDの角会長に直に質問が飛んでも不思議じゃない」(球団関係者)
例年、株主総会でのタイガース関連の質疑には阪神電鉄の取締役が対応にあたってきたが、角会長に〝モノ言う株主〟から手厳しい質問が乱れ飛ぶような事態になったら…。岡田新監督にとっては来季序盤の戦いが、アレや政権の安定したかじ取りを目指す上で最初のハードルになるかもしれない。











