【赤坂英一 赤ペン!!】今オフの契約更改で、楽天・島内宏明が珍妙な要求をして波紋を広げた。
島内は2年前にFA権を取得して行使せず、2021年から年俸変動制の4年契約を結んだ。2年目の今季は現状維持の1億2000万円プラス出来高払いで更改。その交渉の席で「契約年数を1年短縮し、3年目の来オフにはFA宣言したい」と言い出したのである。きっかけは同じ左打ちの外野手・近藤が、日本ハムからソフトバンクへFA移籍して結んだ破格の条件。7年総額50億円と伝えられる報道を目にして、ショックを受けたという。「あの金額には負けちゃいますね。自分は何のために頑張ってるんだろう」と、更改後の会見で本音を明かした。
反響の大きさに驚いたのか、島内は程なく発言を撤回。楽天・石井監督にも謝罪したことを明かしたが“何を今さら”感が残るのは否めない。
思い出されるのは03年オフ、現役時代の阪神・矢野の保留騒動である。矢野は阪神にFA残留して01年から4年総額5億円で契約。1年目は再契約金7500万円プラス年俸7500万円で計1億5000万円。2、3年目は各1億2000万円で、ここまでで計3億9000万円。だから4年目は1000万円減の残り1億1000万円と最初から決まっていた。
ところが、03年は優勝に大きく貢献した自負もあってか、矢野は金額を見て更改を保留。「来年も優勝するぞ、という気になれなかった」などと発言して、阪神と報道陣を大いに困惑させた。
たとえ故障や不振でも給与が保証される複数年契約は本来、選手に有利な契約のはず。その年の成績次第で内容を見直したいなら、最初から単年契約にすべきだろう。
広島・黒田はドジャースへFA移籍した07年オフ、4年契約を提示されたが、自ら1年短縮を申し出た。「3年やってみて成績を残せれば4年目も同等か、それ以上の内容で契約できるから」というのが理由だった。
しかし、3年契約満了後には「いつ投げられなくなるかもわからないから」と、自ら毎年単年契約を選択。あえて自分を不利な立場に置くことで結果を出し続けた。
もっとも、自分を追い詰めればいいというものでもない。今季の筒香のように、パイレーツに2年契約を提示されながら単年契約を決断し、打率1割7分7厘で自由契約となったケースもある。
さて、島内にとって、来季は自ら招いた勝負の年となる。果たしてどれだけの成績を残せるか。











