果たして左腕王国復活はなるか。5年ぶりに巨人復帰となった阿波野秀幸投手チーフコーチ(58)が、左腕先発の重要性を訴えた。3年ぶりV奪還のためリーグワースト成績のG投を託された同コーチが、再建構想の一端を明かした。

 巨人は12日に新外国人左腕としてベネズエラ出身左腕ヨアンデル・メンデス投手(27)との契約合意を発表。背番号は「65」で年俸4000万円(推定)での単年契約となる。

 今季メキシカンリーグで7勝無敗、最優秀選手にもなったメンデスは「目標である優勝目指して頑張ります」と球団を通してコメント。巨人はさらにブルージェイズをFAとなった左腕フォスター・グリフィン投手(27)も獲得調査している。

 次々と左腕を獲得する狙いは何か。5年ぶりBクラスとなった一因が12球団最悪のチーム防御率3・69にあるのは否定できない。元近鉄のエース左腕である阿波野コーチは「(3冠王のヤクルト・村上など)左打者に苦戦したら左投手が欲しいと、どこのチームも考える。左腕をローテの半分とまでは言わないけど、いた方が戦うバリエーションは増える。例えば3連戦で左腕で初戦に突破口を開ければ、2戦目もそれを踏まえて同じ攻め方をできたりする」と左腕先発の必要性を訴える。

 今季の巨人先発は左腕不足に陥った。左は高橋とメルセデスの2人だけで2021年に11勝を挙げた高橋はケガで早々に離脱。メルセデスは6月以降、勝ち星に恵まれず5勝7敗で退団と〝壊滅状態〟となった。

 その阿波野コーチが期待するのが来季4年目の日本人左腕だ。今年9月にプロ初勝利、侍ジャパンとの強化試合(11月6日、東京ドーム)で3回無失点と好投した井上温大(21)に「(ローテ入りの)期待は持てると思う。井上はチャンスだと思いますね」とゲキを飛ばす。

 さらに〝予備軍〟もいる。1年目は一軍登板ゼロに終わったドラ2・山田龍聖(22)、ドラ6・代木大和(19)の両左腕には「先発以外でもというなら、山田、代木は可能性がある」と救援での起用を示唆。「フラットな目で見ている。どういうふうに起用するかは、選手のタイプによる。左だからみんな先発候補というわけではなく、リリーフで生きる選手もいる」と適材適所を探っていくという。

 当然、中継ぎで結果を積み上げていけば、将来の先発起用も視野に入ってくる。「今季一軍で数字を残したメンバーに新戦力がどれだけ割って入れるか。それがチーム力になってくると思う」と阿波野コーチは競争の激化を歓迎した。

 今季は戸郷(12勝)、菅野(10勝)と右腕がけん引したが、かつては工藤公康、内海哲也、高橋尚成ら左腕エースが引っ張り〝鉄腕左腕〟山口鉄也が救援としてフル回転した時代もある。巨人のV奪還に左腕の存在は欠かせないものとなりそうだ。