あとは〝アレ〟してナンバーワン投手になるだけだ。最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠に輝いた阪神・青柳晃洋投手(28)が8日に契約更改交渉に臨み、倍増の2億4000万円でサインした。昨季も最多勝と最高勝率の2冠と飛ぶ鳥を落とす勢いのエースが目指すのは岡田新監督の胴上げと投手最高の栄誉だ。
約30分の交渉を終えて〝2億4000万のエース〟となった青柳は「すごい評価していただいたなと思います」と破顔一笑。来季から背番号も50から17に変更。小学校で野球を始めた当時や大学時代の4年間も着けた愛着のある番号に「野球人生の中でも大きなもの」と再び表情をほころばせた。
来季の目標を15勝以上に設定。「僕が入ってからアレから遠ざかっている。来年はアレできるように」と言い、指揮官が使用する「優勝」の隠語で決意表明した。日本で投手に与えられる最高の栄誉である沢村賞も意識しており「もちろん取りたい賞ではありますし、そこを目指している部分はある」と力を込めた。
今季は2年連続でオリックス・山本由伸(24)が受賞した同賞は、①25登板②10完投③15勝④200イニング⑤150奪三振⑥防御率2・50以下の6項目が条件に設定されている。例年、候補として名前が挙がるのも両リーグを通じて数人だ。
しかも歴代受賞者は、左右問わず三振を量産するオーバースロー型のいわゆる〝本格派〟ばかり。過去に横手投げや下手投げで受賞したのは1977年と79年の小林繁(阪神)、87年と95、96年の斎藤雅樹(巨人)など多くはない。右横手投げで打たせて取るタイプの青柳には不利にも思われるが、最近は追い風も吹いている。
かつては先発完投型に限定されていたが、先発・中継ぎの分業制が進んだ時代の流れに応じ、完投数やイニング数は厳格に規定クリアを求めない傾向で、代わりに7回を自責3点以内という独自基準のクオリティー・スタート率が加味されるなど「その年のナンバーワン」によりフォーカスされるようになってきた。
実際に青柳は山本との比較でも登板数、勝利数とも2差で、4完投は同じ。差が出たのは奪三振数とイニング数で、前者は青柳132に対して山本205、後者は青柳162回3分の2に山本193回だった。青柳は開幕直前にコロナ感染による離脱もあり、3試合ほど登板数が減った。フル回転していれば170イニング以上は到達可能だっただろう。
2015年からは、通算284勝ながら一度もシーズン200奪三振を記録していない阪急のサブマリンエース・山田久志氏(野球評論家)も選考委員に加わった。自身の成績を上げるだけでなく、そこに〝優勝への貢献〟が加われば、青柳がアレとソレを手にしても不思議ではない。












