地獄の日々もいよいよ大詰めだ。巨人の宮崎秋季キャンプは17日から最終クールに突入した。屈辱のBクラスに沈んだチームの停滞ムードだけでなく、キャンプ生活まで激変させたのが大久保博元打撃チーフコーチ(55)だった。最たるものは午前6時30分開始のアーリーワーク。キャンプイン当初は誰もが早起きに四苦八苦した中、強気な〝デーブ流特殊能力〟がある種の尊敬の念を集めていた。
20日のキャンプ打ち上げが迫る中、この日のシート打撃では秋広や増田陸らがバットで結果を残し、原監督も「あの2人は秀でているというか努力の跡というか。いい感じでやってくれている」と満足げだった。
そんな野手陣のキャンプ生活を一変させたのが、大久保コーチだ。従来のキャンプは午前9時30分から全体練習がスタートしたが、6時30分開始のアーリーワークを導入。開始が早まれば、起床時間だって早まる。ほぼ寝起き同然の状態から、ナインは2000スイングを一気にこなしていた。この3時間の前倒しで、ナインが悲鳴を上げたのが「ちゃんと起きられるか問題」だった。
若手の一人は「スマホのアラームを5分おきに5個も6個もセットして、5時には起きるようにしています。だいたいみんなそんな感じだと思います」と眠そうな目をこすっていた。練習をサポートする首脳陣だって同じだ。あるコーチは「眠いに決まってるじゃないですか(笑い)。『眠いなあ』ってみんな言ってますよ。でも、選手のためにもやるしかない」と腹をくくっていた。
もちろん、朝練習を導入した大久保コーチ自身が寝坊や遅刻をすればシャレにならない。〝言い出しっぺ〟のくせに…と練習場の準備に追われるスタッフらから白い目で見られ、何なら若手にもナメられる可能性だってあった。大久保コーチはどうやって寝坊を回避してきたのか。
本人に聞くと「俺、寝坊したことがないんですよ。何なら目覚ましをかけなくても起きちゃってる。もともとゴルファーだし。野球選手って寝坊が一番の重罪だから」と驚きの告白。いくら早起きに自信があっても目覚ましをかけて予防線を張りそうなものだが、就寝前に決めた時間にビシッと起きていたのだという。
これには若手の間から「それはすごすぎます。怖くて僕にはできません」といった声が続出した。大久保コーチは別の仕事のため、15日を最後にチームを離れたが、チーム各所から「急に静かになったなあ…」との声が上がったのも〝デーブ〟の存在感の大きさを物語っていた。












