【柏原純一「烈眼」】侍ジャパンの強化試合では代表初招集となった阪神・佐藤輝明が、プロ入り後初の国際舞台でどんな打撃を披露するか、注目して見ていた。オーストラリア代表の投手陣を相手に2試合(9、10日)で6打数1安打1打点。9日初戦の第3打席では〝侍初安打〟となった右翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、唯一の打点も挙げた。この一打こそ「らしさ」を見せた一方、球界トップレベルの打者が集う舞台で課題も見え隠れした。
9日の試合で適時二塁打を放った後の4打席目。相手の中継ぎ右腕に対し、フルカウントから6球目インハイの直球にバットをへし折られて、二ゴロに打ち取られたシーンだ。打者心理としては外角の落ち球、逃げていくツーシーム系の変化球をケアしつつ、内角に来たボールをどう裁くかという局面。結果としてオーストラリア側の「攻め」の配球に屈したが、ここをクリアしていけば相手投手にとって「打ち取るのが難しい打者」になれるのは想像できるところだろう。
そういう視点でも侍の主砲・村上宗隆(ヤクルト)の存在は佐藤輝の今後にとっても、いいお手本になる。同じ9日の試合で村上は5回二死一塁、甘く入ってきた3球目の内角チェンジアップを右翼席へ叩き込んだ。それまでの外角中心の配球から一転、ここで仕留めた1球は相手投手の制球ミスで内角へ入ってしまった失投だった。村上本人の談話が示す通り、その球に狙いを定めていたわけではなく、スイングゾーンに入ってきたボールに自然と体が反応した結果であり、素振りの延長線上のように振って〝とらえた〟1本だった。
結果からひもとけば、村上の「対応力の高さ」となるが「言うは易く行うは難し」。ここまでの技術を身につけるまでの過程には根気強さがいる。日頃から丹念に素振りを繰り返しているからこそ、染みついた動作を試合においての1球で再現できると評していい。「丹念に」という表現は常に下半身主導で、ということでもある。村上は春のキャンプから素振り、打撃練習、シート打撃等、あらゆる打撃練習において、この下半身主導で振るスイングの形を崩さないと聞く。
球種や内外角のコースを問わず、どんな球に対しても、打席内では見逃す姿勢が常に一定に見えるのも、この「下から上に」に力を伝えるスイング動作が体に染みついているからこそ。一定の間で緩いボールを繰り返し打つなど、この部分を意識した練習などはまさに今後、合流する秋季キャンプでの鍛錬としてもうってつけだ。体を意識的に追い込める時期だからこそ佐藤輝には素振りやロングティーなどいわゆる〝下(下半身)〟を使う地味な練習の反復で、是が非でも村上のような下半身主導の「自分のスイング」を完成させるオフにしてもらいたい。(野球評論家)












