日本シリーズ第3戦が25日に京セラドーム大阪で行われ、セ覇者のヤクルトがパを制したオリックスに7―1で快勝。対戦成績を2勝1分けとした。ヤクルトは0―0の5回に今シリーズ不振だった山田哲人内野手(30)に先制3ランが飛び出すなど、終始圧倒。このまま一気に突っ走るのか、それとももうひと波乱起きるのか。本紙評論家・伊勢孝夫氏の見立ては――。

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】ヤクルトが大勝して2勝1分け。ヤクルトが強いというより、オリックスが打てない。思っていた以上に打線が弱いわ。

 ヤクルトは丸山和や山崎といった脇役の打者が塁に出るからどうしても村上やオスナと勝負しなければならない。対照的にオリックスは打線がつながっていかない。3番に入った吉田正は初回こそ一死二塁で打席が回ってきたが、後はすべて走者がいない場面。分断されとるよね。

 守りでもヤクルトはしぶとさを見せた。4回裏オリックスの攻撃で、一死一塁から宗が左中間に二塁打を放ち、二、三塁としたが、あの場面で光ったのが中堅・塩見の守備だ。塩見は打球がフェンスに届く前の2バウンド目で追いついて捕球。あそこで左中間を破られていたら一走・頓宮は一気に本塁に生還していたはずだ。あの打球に追いついた塩見の脚力がオリックスの先制点を防いだといえる。

 ヤクルト・高津監督は1、2戦で9打数ノーヒット(5三振)だった山田をこの日、1番に起用した。足のある選手だからもちろん1番も打てるが、おそらく気分転換の意味合いが強かったのではないか。それが見事に当たって5回二死一、二塁から先制の3ラン。苦しんでいた山田だが、あの一発でよみがえったのは大きい。山田の復活でヤクルトは4戦以降にもさらに弾みがつくのは間違いないだろう。

 4戦目先発はヤクルトが石川、オリックスが山岡で5戦目はおそらくヤクルトがルーキーの山下、オリックスは田嶋が投げるはずだ。リリーフ陣もオリックスは150キロ以上のスピードボールを投げることができる投手ばかり。京セラドームでの残り2試合は先発、中継ぎとも投手力ではオリックスの方が上やと思う。

 だが、村上、オスナ、塩見が好調で山田も復活したヤクルトはどこからでも本塁打が打てる。脇役の選手たちもとにかく粘って相手投手の球数を増やそうとしてるから打線がつながっていく。一方のオリックスは3試合戦っていまだに本塁打0。そのあたりの差は大きい。オリックス打線がよほど頑張らないと神宮球場に戻ることはないまま、第5戦で日本シリーズ終了ということもある。

(本紙評論家)