猛虎復活へ――。阪神の岡田彰布新監督(64)が、16日に大阪市内のホテルで就任会見に臨み、15年ぶりにタイガースの指揮を執る来季へ向け「期待感はある。優勝しますとはよう言わないですけど、シーズンが終わるころに楽しみにしてもらったら」と独特の言い回しに自信を漂わせた。「ずっと優勝は『アレ』としか言ってこなかった」という新監督が目指すのは、もちろん「アレ」だが、一体どんな手腕でチームを再建するのか。当時の番記者が岡田阪神の「期待と不安」を指摘した。

【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】岡田監督となりいいこととは? 逆に不安材料は何なのか? 阪神、オリックスでの岡田政権を担当記者として取材してきた観点から考察させてもらった。

 まず、会見など監督のオフィシャル発言が面白くなることは確実だろう。就任会見でも「優勝」という言葉を「アレ」と変換した過去を取材陣からイジられる質問に、しっかり乗っかって場を盛り上げていた。

 さらに「(広島新監督に就任の)新井(貴浩)も赤いネクタイしてたから。黄色にしていかなあかんかなと思って」と衣装に仕込みを入れて笑いを取るあたり、サービス精神はまったく変わってないな…と感じさせた。

 そして大事な戦術面だが、これは多くの虎党が期待をしているところだろう。虎番記者時代、取材者目線で予想外の采配を目の当たりにしたことも多くあった。だが、それはいい意味での驚きであり、理由を聞くと納得のいくものばかりだった。

「なぜ?」ではなく「なるほどその手があったか」と思わせる用兵や戦術がほとんど。藤川球児、ジェフ・ウィリアムス、久保田智之の「JFK」がまさにハマった例だ。

 ただ、不安な面もある。15年前は49歳だった岡田監督だが、来年は65歳。会見で「年齢的にも長くできないと思いますけど」と話したように、長期政権は考えにくい。虎の将という激務に体が耐えられるか正直、心配だ。

 年齢に付随してのジェネレーションギャップも不安材料だ。複数の阪神OBが「最初はいいでしょう。でも、シーズン中盤くらいで負けがこむとどうだろう。若いコーチたちが心配ですね」と口を揃える。

 阪神、オリックスの監督時代も成績不振時にコーチの配置転換を行ってきた経緯がある。空気を引き締める意味もある一方で、今の時代にマッチするのかという意見も出てくるだろう。

 さらに、監督をサポートする専属広報らの緊張感も相当なものだと予想される。当時は毎年のように専属広報が交代した。青年監督とは違い、岡田監督はボス臭の漂う昭和の男。令和のリーダー像とは少し違うかもしれない。

 現れるだけで空気がピリッとする大御所。これを若い世代がどう受け入れるのか。年齢を重ね丸くなっているかもしれない岡田監督と、功労者をリスペクトする現場であれば問題ないかと思うのだが…。

☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。