【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】 野球に「まさか」はつきもの。2日の阪神―巨人戦(甲子園)もそうだった。8回に阪神が2点を先制。9回は新守護神・ケラーで逃げ切るかと思いきや「まさか」の同点。延長12回、4時間4分の戦いは引き分けに終わった。
本来ならもっと盛り上がってもいいこのカード。何か物足りなさを感じたのは3位、4位争いだったという理由だけではないと想像する。
決め手を欠く両軍の戦いを見ているとCS争いどころか、揃ってBクラスの可能性だって残っている現実を感じてしまう。プロ野球創立から86年間で巨人、阪神がともにBクラスになったシーズンは1979年(阪神4位、巨人5位)、91年(巨人4位、阪神6位)、97年(巨人4位、阪神5位)の過去3度しかないのだが…。
現在、ヤクルト、DeNAの上位2チームが抜け出した感は否めない。つまり残り4チームはCS進出の可能性も、最下位の可能性も残っているというわけだ。
現状、阪神は4位・広島に4ゲーム差をつけての3位。だが、その下はゲーム差なしで巨人が5位、さらに3ゲーム差で中日が6位となっている。ただ、阪神は残り18試合のうち13試合が大きく負け越している3チームとの対戦(ヤクルト6、DeNA3、広島4)だけに、不安がないとは言えないだろう。
某球団OBは「強力投手陣を擁する阪神がCS圏内に残るのが順当。ただ、逆をいえば相手チームも阪神にはいい投手をぶつけてくるケースも多い。点を与えなければ阪神には負けにくいと思われているから。肝心な場面でのミスも減らないし盤石ではないよね」と話す。
首位争いを演じ、しのぎを削る「伝統の一戦」は“様”になる。だが、歴史ある両軍が最下位争いを展開し、そのままシーズンを終えた過去はいまだない。
圧倒的な歴史と人気を誇る両球団。そんな姿をG党、虎党ともに想像もしたくはないだろう。そんな「まさか」が起きないことを願う。
☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。












