チャールズ新国王の戴冠式が、来年5月6日にウェストミンスター寺院で、カンタベリー大司教によって執り行われることが決定したが、同時に戴冠するカミラ王妃の王冠についてインド国内で議論が巻き起こっている。13日、英紙デイリー・メールが報じた。

 王冠はエリザベス女王も戴冠していたもので、世界最大のカットダイヤモンドの1つである有名な105カラットのコイヌール・ダイヤモンドをフロントクロスに配しており、豪華な2800個のダイヤモンドで構成されている。

 このダイヤモンドはまだ英国の植民地時代だったインドで発掘されており、1855年に当時10歳だったインド最後のデュリープ・シーク皇帝から、当時のヴィクトリア女王に贈られた。

 しかし、近年になって当時のダイヤモンドの贈与と所有権には問題があったと異議が唱えられており、インドを含む少なくとも3か国で、ダイヤモンドをインドに返還するよう求める主張があるという。

 インドのナレンドラ・モディ首相のインド人民党は現在、ダイヤモンドについての議論を進めており、党関係者は「カミラ王妃の戴冠式での王冠の宝石であるコイヌールの使用は、インド人に植民地時代の過去のつらい思い出を呼び戻してしまいます」と英紙テレグラフに語っている。

 同時に王室関係者は英紙タイムズに対し、ダイヤモンドについての所有権は、以前には問題があったことはなかったが、戴冠式を計画している人々は「現在の問題には敏感である」一方で「伝統を反映することを強く認識している」と語っている。

 王室関係者は、戴冠式は伝統的なものと現代的なものを組み合わせものになるとした上で詳細について、いずれ発表されるだろうとの見解を示している。チャールズ国王はかねて王室のスリムダウンやコストダウン、さらには現在の経済危機を考え、なるべく小規模でシンプルに、モダンなセレモニーをと望んでいるとの声もある。インドで巻き起こっている予想外の議論は、戴冠式にどう影響を及ぼすだろうか。