パ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦は12日、京セラドーム大阪で行われ、リーグ覇者のオリックスが5―0でソフトバンクに快勝。アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を2勝0敗とした。レギュラーシーズンで2年連続の投手4冠に輝いた先発のエース山本由伸(24)は8回無失点、10奪三振と好投。ホークスOBで本紙評論家の加藤伸一氏は無双右腕がマウンドで見せた「攻める気持ち」を絶賛した。
【インハイアウトロー 加藤伸一】オリックス先発の山本は、ほぼ完璧な投球だった。球威、制球ともに申し分なく、8回5安打、無四球、10奪三振で無失点。レギュラーシーズンから4戦連発と好調だった左打者の柳田に対しても臆せず直球主体で内角を攻め、空振り三振に二直、一ゴロと完全に封じ込めた。先のファーストステージで西武投手陣がスライダーでかわそうとして手痛い2発を食らったのとは対照的で、投手にとって大事なのは球威や球速よりも〝攻める気持ち〟だということを再認識させられた。
浮いた変化球を中村晃やデスパイネ、代打グラシアル、高め直球を代打の川瀬に安打されたが、いずれも単打だった。得点圏に走者を進められたのは5回と8回の2度だけ。そのピンチも5回は柳町と甲斐を2者連続空振り三振、8回も三森を一ゴロ、周東を空振り三振に仕留めた。さすがは2年連続で最多勝、最優秀防御率、勝率第1位、最多奪三振の4冠に輝いた投手だ。
対戦相手としては、こうした展開になると封じ込まれている野手より、山本と投げ合う投手のほうがつらい。先制を許したら負けてしまうという心理状態に追い込まれるからだ。制球ミスが許されないと思えば慎重にならざるを得ず、どうしても投球は窮屈になる。5回までに許した4点のうち、3点は先発・石川の2つと2番手・大関の押し出し四球によるもの。相手打者の圧力に屈したというよりは、山本の好投が引き出した押し出し四球といっても過言ではない。
ソフトバンクはポストシーズンの連勝が18で止まり、今ステージは相手のアドバンテージを含めて0勝2敗と不利な状況となった。しかし、初戦は日本を代表する投手に最高の投球をされたと割り切ればいい。2戦目以降の両軍投手陣の力量を比較すると、成長著しい板東にエース千賀、ベテラン和田、東浜を擁するソフトバンクにも勝機はある。
(本紙評論家)












