「世界の王」超えとなるシーズン56本塁打に〝王手〟をかけているヤクルト・村上宗隆内野手(22)が小休止だ。20日の巨人戦(東京ドーム)では3打数無安打と2試合連続ノーヒットに倒れ、13日に55号を放ってから4試合連続でノーアーチとなった。村上の本塁打が4試合出なかったのは、実に41日ぶりのこと。それだけ打ちまくってきたわけだが…。ネット裏の評論家からは意外な〝盲点〟も指摘されている。

 さすがの〝村神様〟も大記録を前にして、力が入っているのか。相手の巨人から前回対戦時に54号、55号を放っていたが、この日は3打数無安打。村上封じに成功した格好の巨人・原監督は「今日に関してはね、そういうことでしょうね」と話した。

 本紙評論家の得津高宏氏は「記録を意識するなと言っても、それは難しいこと。最近の村上はバットが外から出ているし、打席でちょっと固いような感じがします」と見ているが、この日の試合では気になるデータも浮上した。

 初回、一死二塁で迎えた村上の第1打席。一塁が空いているため勝負を避けるかと思いきや「まだ初回ということもありますから」(得津氏)、巨人バッテリーは勝負を選択。結果はカウント1―1からの死球となった。続く3回、無死二塁の第2打席でも巨人に勝負を挑まれ、今度は二ゴロに打ち取られた。

 これで「走者二塁」「走者三塁」「走者二、三塁」という「一塁が空いた場面での村上」は今季56打数13安打、打率2割3分2厘…。このところ打ちまくる村上に対しては「一塁が空いたから歩かせろ」という策が当然のようにとられていたが、むしろ打たれる確率は低かったのだ。

 なぜなのか。「一塁が空いている状況だと、投手は『最悪歩かせてもいいから、際どいところで勝負しよう』となり『間違っても失投だけはしない』となる。打者としては『えっ、勝負してくれるの?』『それなら打ちたい』という心理が働き、少々難しいボールでも打ちにいきたくなるのでしょう。敬遠続きの村上なら、なおさらなのでは。実際に最近の村上は、厳しい攻めをされているのもありますが、難しいボールを強引に打ちにいっている場面が目につきます」(得津氏)という。

 これで日本新記録のシーズン61本塁打までは残り11試合で6本と、かなり難しいペースになってきたが…。同氏は「打ちたい、打ちたいという気持ちが前に出すぎないほうがいい。私たちの世代で言えば、現役時代の長嶋茂雄さんのように、打席では『さあー、いらっしゃい』という気持ちでボールを待つのが大事…という話をよく聞きます。王貞治さんだって30打席ノーヒットとかあったわけですし。村上は気持ちの切り替えが早い選手だということも聞いています。どうにか記録は達成してほしいですね」と、最後のひと踏ん張りを期待していた。

※20日現在、走者別の村上の打撃成績は以下の通り

【走者なし】3割1分3厘
【走者一塁】3割4分2厘
【走者二塁】2割2分5厘
【走者三塁】2割7分3厘
【走者一、二塁】4割8分3厘
【走者一、三塁】5割7分1厘
【走者二、三塁】2割
【満塁】4割2分9厘