リーグ最下位が確定している日本ハムで、今季登板ゼロの新助っ人、ジョン・ガント投手(30)の去就が注目されている。

 米メジャー通算6年で24勝26敗3セーブ28ホールドを誇る右腕は、推定年俸2億4000万円プラス出来高払いの1年契約。入団決定当初はビッグボスも投球映像を見るや「これ、本当にウチに来てくれるの? すごいピッチャーだね」と大きな期待を寄せていた。

 だが、来日直後から右ヒジに違和感があったのか、未登板のまま開幕を迎えると、6月上旬には治療のため米国に一時帰国。同月下旬に再来日し「右ヒジ靭帯炎症」が明らかになり、その後は現在まで二軍施設の鎌ケ谷でリハビリ調整を続けている。

 通常なら即刻「クビ」でも不思議ではないが…。球団側には簡単にクビを切れない複雑な事情もある。大きな要因はガントの「潜在能力」だ。

 ガントは「右ヒジの状態さえ回復すれば、日本で2桁勝利は確実」と球界内でささやかれる逸材。しかも右ヒジ靭帯炎症が発表された直後の診断結果では「投球再開まで6~8週間の見込み」と球団からアナウンスされた。来季大ブレークできる可能性があるからこそ、簡単に見切りをつけられない。日本ハム退団後、他球団で大暴れされる可能性もある。

 新庄監督も17日に札幌ドームに来場した元日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏と再会した際、ガントの話題になったそうで「ガントはいいピッチャーだよって。(ガントは)どうしたんだって言ってた」とポツリ。その上で「俺が聞きたいよ」と苦笑いを浮かべながら、いまだベールを脱いでいない右腕の状態を気にかけていた。

 現時点では今季1球も投げずに終わりそうな気配の高額助っ人。来季こそはチームの救世主となるのか、それとも…。