一向に打撃が上向いてこないソフトバンク・甲斐拓也捕手(29)には、王会長も藤本監督も気が気ではないようだ。正捕手として、ここまで66試合に出場しながら打率1割8分6厘、0本塁打、10打点。昨季まで3年連続2桁本塁打のパンチ力も鳴りを潜めている。現在も8試合連続無安打とトンネルの真っただ中だ。

 ナイター後も毎日バットを振り、試行錯誤を続けている。藤本監督は取り組む姿勢を高く評価しつつも、結果が出ない焦りからか打撃の形がブレてしまっていることに言及。「今やろうと思うことを1年間続けてみないと。やっぱり3、4試合ヒットが出なくて『やめた』と元に戻して、また別のことをやる…では1年間なかなか持たない。キャンプで城島にやってもらったことと、今は全く別のことやっていますからね」

 確かに今春キャンプでは会長付特別アドバイザーの城島氏に打撃指導を受け、しばらくは現役時代の同氏とそっくりのフォームになっていた。しかし、今では見る影もない。指揮官は「捕手としてディフェンスはナンバーワンですから。あとは打つというところ。あれだけ振るのか、もうちょっと嫌らしい打者になるのか。今は4番打者が打てない(時の)形になっている。球数を投げさせるとか、チームバッティングがうまくて100%決めますよとできたら、評価もどんどん上がり、本当に12球団一の捕手になれると思う」と割り切りの大切さを訴えた。

 甲斐は休日のこの日もペイペイドームで汗を流した。王球団会長からも直接指導を受け「今の自分の結果を考えると休んではいられない。会長からは『お前はもっとやれるんだから』と言っていただいた。その言葉だけでもっと頑張ろうという気持ちになります」と前を向いた。