フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(27)を巡って、早くも世界を舞台に大争奪戦が勃発している。羽生は19日の会見で今後はプロとしてアイスショーに参加する意向を表明した中、ショービジネスの本場である米国では羽生招致の動きが判明。さらに羽生人気が高い中国も国家的プロジェクトとして引き抜く可能性があり〝米中戦争〟の様相を呈している。

 羽生は会見で今後について「自分の中で考えていることだったり、いろいろ進めようとしていることはある。ショーであったり、応援してくださる方々が納得できるような場所だったり、演技だったり、そういったものを続けていきたい」と言及。詳細は明かさなかったが、今後は自身がアイスショーに参加するだけでなく、自らショーをプロデュースする可能性もある。

 その羽生は、すでに世界からラブコールを受けている。大手広告代理店の関係者は「羽生選手はフィギュアスケート大国の米国でも人気がすごい。羽生ブランドのアイスショーを組んでやろうと複数のプロモーターが動いていると聞くし、ショービジネスが盛んな街同士で定期的に開催しようと引っ張りだこになるのではないか」と説明する。

 米国では特に近年アイスショーへの注目度が高まっており、収益も拡大。一般的な全米各地を巡るツアーに加えて、演劇や公演などのエンターテインメントが盛んなニューヨーク・ブロードウェー、ラスベガス、ハリウッドなどがショーの拠点として羽生の誘致合戦を繰り広げるというわけだ。

 米国だけではない。「中国の羽生人気は世界一と言ってもいいほど。中国政府も産業界で優秀な日本人を引き抜いてきたが、今度は羽生を呼び寄せてフィギュアスケートの一大国家プロジェクトを始めてもおかしくはない」と同関係者は指摘する。

 今年2月の北京五輪で羽生フィーバーが沸騰するなど中国での人気は日本を凌駕するほど。さらに中国政府も以前から羽生への〝接近〟を図っており、政府中枢の華春瑩報道官が公式SNSで再三、羽生を称賛するメッセージを送るなど異例の対応を取ってきた。

 中国では近年フィギュアスケートの強化に力を注いでいる。アイスショーなどビジネス面に加えて、競技の育成を図る指導者としての役割など総合的なフィギュアプロジェクトを発足させて、総責任者として羽生を招聘することもあり得る。習近平国家主席はスポーツの成長に対してカネに糸目はつけない方針だけに、米国とシ烈な綱引きが展開されるだろう。

 同関係者は「どちらにしても動くカネは巨大なものになる」と指摘。世界的な影響力や長期間の収益が見込めることを考慮すれば、数百億円規模のオファー合戦も予想される。羽生のスケート人生はむしろこれからが本番と言えそうだ。