広島・秋山翔吾外野手(34)が15日の巨人戦で日本球界復帰後、初アーチをマークした。初回一死二塁で打席に入ると、相手先発・山崎伊から右中間へ先制の2ラン。延長11回の激闘の末、6―3で今季東京ドーム初勝利を飾ったチームに貢献した。
米球界から広島入りし、7試合25打席目にして飛び出した新天地での移籍1号。NPB公式戦での本塁打は西武在籍時代の2019年9月13日・ロッテ戦以来、実に1036日ぶりだった。
試合後はメモリアル弾について「頭だけ越えてくれって全力で走っていた。感触はそこまで完ぺきという感じじゃなかった。あんまりホームランは打ち慣れてないんで。よかったです」と謙虚に振り返った。
この試合前まで打撃成績は18打席連続無安打を含む22打数3安打、打率1割3分6厘と低迷し、長打もなかった。それでも持ち前の「打撃理念」を忘れず、ひた向きな姿勢を貫き続けていた。
西武時代の秋山は、自らの打撃メソッドについて「絶対に雑なバッティングはしない」と明かし、こう話していた。
「勝っていても負けていても、どれだけ点差が開いていても、その意識だけは持ち続けたい。やっぱり点を取るための攻撃であったり、次の日につながるものであったり、次の人につなげるという意識だったり…。気が抜けたような変なアウトにだけはならないように集中力を保ちたいんです」
そして今、3年ぶりの日本球界復帰で適応に苦しみながらも、決して集中力を欠かすことなく打席に立つ秋山の姿こそ、広島が高く評価した部分でもある。
広島の一員となった秋山は着実にチームと〝融合〟しつつある。