セ首位のヤクルトが26日のDeNA戦(横浜)に6―3で快勝。4差で激突した2位チームを突き放し、相手の本拠地連勝を「17」で止めた。立役者となったのは、主砲・村上宗隆内野手(22)。6回に「史上最年少150号」となる先制46号3ラン、7回には2打席連続47号ソロを放って〝村神様〟ぶりを存分に発揮した。このままヤクルトが逃げ切るのか、それともDeNAが粘るのか。ヤクルトOBで本紙評論家の伊勢孝夫氏の見立ては…。

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】村上の先制3ラン、あれは狙っていたね。フルカウントからフォークを仕留めたんだけど、第1打席はフォークを打ち損じて投ゴロ、第2打席もフォークで空振り三振に倒れていた。もともと「フルカウントからのフォーク」は長打力のある打者に対しては定番の配球。今のヤクルトは、チームとして狙い球を絞っている印象はなく、おそらくは村上自身の判断だと思う。

 聞くところによると、村上は東京五輪のときも、ミーティングで最後まで残って相手投手の配球についてスコアラーに確認していたという。ヤクルト伝統のID野球とか、そういうことにも熱心な選手。本当に頼もしいし、このまま3冠王もいけるんじゃないかと思っている。

 DeNAにしてみれば、2本目の本塁打が余計だった。0―5からすぐに3点返して「さあ、終盤わからんぞ」という展開になったとたんの、7回二死走者ナシからの投げミス。あそこは長打は絶対に打たれてはいけない場面。後ろの打者が途中出場の丸山和だったのだからなおさらだ。このところ村上の敬遠の多さが話題となっているが、私は歩かせるのならむしろ、走者ナシの場面のほうがいいと思う。盗塁はないわけだし、走者が村上なら変に動かしてくることもなく、塁は詰まる。ただ、この日の2発で今まで以上に四球の数は増えそう。四球が増えれば打率の面でも有利になるし、ますます3冠王の可能性も高まるだろう。

 これでヤクルトとDeNAの差は「5」。残り試合はヤクルトが29、DeNAが34という状況になった。5試合DeNAが多く残しているというのは、実際の差は「2・5」と見ておいたほうがよく、まだまだ「安泰」というわけでもない。ならば、ヤクルトは今後、どう戦うべきなのか。DeNAの追い上げを必要以上に恐れる必要はないと思う。首位に立つチームからすれば、阪神や巨人ら、実力があって優勝争いの経験のあるチームが追い上げてきたほうが気持ち悪いものなんですよ。

 高津監督はあまり動き過ぎず、まだムチは入れないほうがいい。この日の試合の序盤に走者をいろいろ動かして失敗していたが、今は「走者一塁で村上」という形を作ればいいのでは。ムチを入れるのは最後の15試合ぐらいでいい。

(本紙評論家)