新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」10日広島大会Bブロック公式戦で、「ユナイテッドエンパイア」のグレート―O―カーンがタマ・トンガ(39)にいたずらに傷口を広げるだけの4敗目を喫し、廃業危機に追い込まれた。

 史上最多28選手が参加した今大会の数合わせとしてリーグ戦に放り込まれたオーカーンは、国士無双13面待ち級幸運で1勝を挙げたがすでに3敗を喫して早々に脱落した。しかもこの日は、IWGP世界ヘビー級王者ジェイ・ホワイトとブロック突破争いを繰り広げるタマとの公式戦。ただでさえ実力がかけ離れている上に、モチベーションでも明らかに劣っていることから、見るまでもない試合として「休憩以上のトイレタイム」と認識されていた。

 ましてやタマにはガンスタンという、どこからでもカウンターが取れる必殺技がある。エリミネーターのようなモーションの大きな技は格好の餌食になりそうだということは、会場中の誰もが分かっていたはずだ。

 自己満足の結晶とも言える大空スバル式羊殺し・ルーナを決めて気分が舞い上がったオーカーンは、無為無策にエリミネーターを敢行。飛んで火にいる夏の虫のごとくカウンターのガンスタンで切り返され、必然の3カウントを奪われた。スピード、テクニック、キャリア、血筋、男としての器の大きさ、すべてにおいて完敗だった。

 男としての器の大きさで思い出したが、オーカーンには引き続き3次元の女性に対する適応能力に重大な疑義が生じている。先日ある女子レスラーを食事に誘うことに成功したオーカーンは、食べログで予算3000円未満と分類されるリーズナブルな居酒屋を予約。財布が固いというウワサはすでに業界中をかけめぐっていたが、その日は珍しく全額負担したという。

 しかし、だ。本人の名誉のために名前は伏せるが、現在スターダムで活躍するその女子レスラーは「『聞いてた話とは全然違うな』って思ったんですけど、会計が終わったらすぐ『次は先輩がお願いします』って。いや、先輩じゃねーし。私、キャリア3年なので。というかおごらせる前提で次の食事の約束って、誘い方も三流で査定する価値もないですね」と、卑劣な手口を暴露。「うなのことずっとねっとり見てるし、下心隠すつもりも全然ないみたいで、亀仙人かなにかかと思いました。さすがに爆笑しちゃって。あ、でも帰りはコンビニでメロンミルク買ってくれましたよ」と、オーカーンの今後が心配になったという。

 試合後のバックステージでは「敗者は、こんなところで何を言ってもスポットライトは当たらない。だとしても、生き方を変える理由にはならねえ。信念が変わらなければ、言葉も変わらねえ。報われるには、報われるまで続けるしかない。一気にひっくり返したほうがおもしれぇ。弱いが、最高にプロレスラーしてるよ…」と力説。報われるまで続けるしかないという発想は一歩間違えればストーカーのそれであり、女子レスラーの告発はやはり間違っていなかった。

 自他ともに認める弱小レスラー・オーカーンが来年のG1に出場する資格などあるわけもなく、それどころか今から来年の契約更改を心配したほうがよさそうだと言っても過言ではない気がする。