日本ハムの新庄剛志監督(50)が〝鬼〟の一面をのぞかせている。緩慢なプレーやミスをした選手を躊躇(ちゅうちょ)なく試合途中で交代させるケースが目立ち始めているのだ。4―5で競り負けた24日のオリックス戦(帯広)では4回に三塁手・郡が何でもないゴロをファンブルした上に悪送球してピンチの火種をつくり、裏の攻撃で3―2と勝ち越した直後の二死一、二塁の好機で左飛に倒れると、5回の守備からベンチに退かせて猛省を促した。

 先週18日の楽天戦(札幌ドーム)でもそう。1点を追う7回一死二、三塁で二走・アルカンタラが2ランスクイズのサインを見落とすと、直後の守備で万波と代えた。助っ人にも容赦ない姿勢を見せたばかりか、試合後には「来年日本でプレーしたかったら、そういうところをしっかりしてもらわないと。いい選手なんだから」と苦言を呈すなど、ビッグボスの厳しさは以前にも増して際立ちを見せる。

 この新庄監督の〝鬼〟っぷり。引き分けを挟んでの7連敗で借金が今季ワーストの23と膨らみ、苛立ちが募っている…というわけではない。全ては「来季に向けた礎」と周囲ではもっぱらだ。

 ここ数年の日本ハムは良くも悪くもチーム内に自由奔放な雰囲気が漂い覇気が失われていた。特に優勝争いから脱落したシーズン終盤にその傾向が強くミスが出ても「見て見ぬふり」。こうした空気が弱体化を加速させたと言われる。そんなチームを再生すべく、若返りを図りながら「戦う集団」へ変貌させようとしているのがビッグボス。そんな背景もあり、V争いの蚊帳の外にいても、あえて鬼采配でチームを鼓舞しているのだろう。ある球団OBも指揮官の胸中を推察したうえでこう話す。

「他球団に比べて戦力が劣るチームが最もやってはいけないのが軽率なミス。一つのミスが勝敗を分ける命取りになるからです。新庄監督は阪神に在籍していた現役時代、その思いを嫌というほど経験している。当時、阪神は低迷していましたし、選手たちもミスに寛容でしたからね。でもそれではチームは勝てないし強くもならない。そんな思いもあって、シーズン終盤になっても手綱を緩めないのでしょう」

 かねて新庄監督は本気で来季リーグ優勝を狙う覚悟を示している。その思いの一端が今の厳しい姿勢なのかもしれない。