まさかの大波乱だ。新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」Aブロック公式戦(7日、大阪)で、初出場のジョナ(33)が前年度覇者のオカダ・カズチカ(34)を撃破。183センチ、160キロの伏兵が、レインメーカーの連勝を止める大仕事をやってのけた。驚異のパワーを武器にスーパーヘビー級の新時代到来を予告するこの男、いったい何者なのか――。

 衝撃の結末だった。オカダのミサイルキックをカウンターのパワーボムで迎撃したジョナは、ブラックフォレストボムを発射。最後はトーピード(ダイビングボディープレス)で全体重を浴びせ殊勲の勝利を収めた。

 オーストラリア出身のジョナは2007年にデビュー。13年にはノアに留学生として初来日し、東京・有明で合宿所生活を送った。19年2月からは世界最大団体「WWE」のNXTで活躍したが、契約解除後の昨年11月から米国の「NJPW STRONG」に主戦場を移している。

 念願のG1初参戦でオカダから大金星を挙げたジョナは「1年前、俺は(WWEから)ノーを突きつけられた。どん底まで落ちたが、そのままで終わらなかった。俺には闘魂がある。あれからちょうど1年がたった今、俺は世界最高のレスラーに勝ったぞ!」と胸を張った。

 最大の武器はケタ外れのパワーだ。ベンチプレスの最高記録は500ポンド(約227キロ)。「今年の1月に上げたんだ。俺には日々、パワフルになっている実感がある」。怪物は現在も進化の途上にあるという。

 憧れのレスラーにはビッグバン・ベイダー、バンバン・ビガロ、スタン・ハンセンらの名前を挙げる。実際に巨体でありながら俊敏に動くその姿は、195センチ、165キロあったとされる全盛時のビガロをほうふつとさせる。

「とてもインスパイアを受けたし、目指している一つの目標だ。体形もファイトスタイルも似ているしね。2022年に彼がよみがえったように感じてもらえたらうれしいよ」と〝令和のバンバン・ビガロ〟を襲名した。

 もちろん目指すはG1制覇、そしてIWGP世界ヘビー級王座(現王者はジェイ・ホワイト)だ。「長い間、300ポンド(約136キロ)を超える選手はIWGPヘビー級のベルトを巻いていなかっただろ。でも、俺はビッグバン・ベイダー、スコット・ノートン、ボブ・サップに代わる、新しい世代のスーパーヘビー級レスラーとしてそういう歴史を復活させたい」

 デカくて、速くて、強い。誰の目にも分かりやすい形で潜在能力の高さを証明したジョナが、一躍台風の目に躍り出た。