これが「現実」だ。サッカー日本代表・森保ジャパンは、14日に行われた国際親善試合チュニジア戦(吹田)で0―3と惨敗を喫した。11月開幕のカタールW杯出場国とはいえ主力数人を欠く相手に、ベストメンバーの日本はホームで大失態。元日本代表FW武田修宏氏(55=本紙評論家)は攻守ともに強豪国との差を鋭く指摘し、W杯本大会に向けて強く警鐘を鳴らした。

 森保ジャパンの化けの皮がはがれた。日本は序盤から攻め込み、前半35分には右サイドを突破したMF伊東純也(ゲンク)のクロスからMF鎌田大地(Eフランクフルト)が無人のゴールに蹴り込むだけの決定的な場面を迎えるが、まさかのシュートミスで絶好機を潰してしまう。

 すると後半に入ってギアを上げてきたチュニジアに対し、同8分にペナルティーエリア内で完全に裏を突かれたDF吉田麻也(サンプドリア)が焦って背後から相手を倒してPKを献上。痛恨の先制点を奪われる。さらに31分には、GKダハメンからのロングボールの処理をまたも吉田がもたついてゴール前でボールを奪われ、追加点を許した。後半アディショナルタイムにも、カウンターからダメ押し点を与えてしまった。自慢の守備がもろくも崩壊した。

 攻撃陣も決定力不足の悪癖を再び露呈して、ブラジル戦に続き枠内シュート0本と散々の内容。後半途中からFW古橋亨梧(セルティック)、MF三笘薫(サンジロワーズ)、MF久保建英(マジョルカ)、MF堂安律(PSVアイントホーフェン)を投入したが。全く見せ場なく終戦した。

 チュニジアはカタールW杯出場国だが、エースのMFワフビ・ハズリ(サンテティエンヌ)など複数の主力を欠いた陣容。しかもホームでの大敗で、森保ジャパンにとってはショッキングな敗戦となった。

 武田氏は今回の惨敗劇を受けて「パラグアイやガーナの二軍を相手に勝って、ブラジル相手に善戦して喜んでいたけど、今日の試合が日本の〝真の実力〟。これが現実だ」と警鐘を鳴らす。

 失点の直接的な原因は吉田だが「ミスして負けたことよりも、じゃあ、他に誰がいるのか。若手のDF板倉滉(マンチェスター・シティー)は実績もリーダーシップもまだまだ。それにMF遠藤航(シュツットガルト)がケガをしたら代わりもおらず、層が薄いのが実情だ」と底上げができていないとバッサリだ。

 それは攻撃陣も同様で「6月の4試合でよかったのは伊東くらい。MF南野拓実(リバプール)は目立っていないし、久保も堂安も印象に残らない。三笘も突破できなかった」。強豪相手に通用する選手が乏しい現状をズバリ指摘する。

 カタールW杯では1次リーグでドイツ、スペインの強豪と対戦するが「欧州ではネーションズリーグでハイレベルな試合をやって、10代の若手も台頭している。どんどん差は開いている」と分析。「W杯まであと5か月。日本は次なる選手も出てきていない。選手一人ひとりの質を上げるしかない。本当に危機感を持たないといけない。このままではW杯で惨敗して、日本の未来が黄色信号にならないか心配だ」と厳しい表情で語った。

 森保監督は「今回の4試合の中でいろんな経験をできた」と強気だったが、不安は募るばかりだ。