メジャー96発男のストレスが限界だ。巨人の新助っ人、グレゴリー・ポランコ外野手(30)が打撃不振に苦しんでいる。良き理解者である阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(43)の助言も実らず、12日まで実に21打席連続無安打。ついにはバットを叩きつけるまで精神的に追い込まれた。一方で、アダム・ウォーカー外野手(30)は下馬評を覆す快進撃。両助っ人に〝逆転現象〟が起きている。

 ポランコに試練が訪れている。開幕直後は3番打者として機能し、5月以降も主に5番で出場。しかし、6月は打率1割1分4厘とブレーキがかかった。5日のロッテ戦(東京ドーム)を最後に6試合連続無安打となり、本塁打も5月18日の広島戦(東京ドーム)を最後に出ていない。DH制で行われた最後の交流戦6連戦では9日はスタメン落ち。打順も6番、7番と日に日に下がり、最終戦は8番まで降格した。

 そんな悩める助っ人の復調を期待されたのが、良き相談相手の阿部コーチの存在だった。「腸炎」のため2日から療養していたが、10日から現場復帰。「いくら元メジャーリーガーでも、同じ左打ちで日本であれだけの結果を残した慎之助の言うことなら聞く耳を持つ」(球団スタッフ)。ましてや阿部コーチにとって、外国人選手の心をつかむのは現役時代からお手のものだ。

 さっそく、阿部コーチは「ああいう人たちはモチベーションだよ。ちょっと遊びも入れつつ、会話をしていって。俺らが今日はどういう表情なのかな? とかを見て話しかけたほうがいい」と試合前のルーティンである個別指導を再開。「打ちたい、打ちたいになっちゃっている。何でもかんでも打てるもんじゃない」とポランコを諭したが、快音は響かなかった。

 長いシーズンで好不調の波は誰にでもあるものの、最近のポランコは外角攻めにも苦しみ、ストレスは限界間近。12日の楽天・則本との対戦では内角と外角に投げ分けられ、最後は内角低めへのスライダーに中途半端なスイングで空振り三振…。その直後、礼儀正しかった助っ人が2度もバットを地面に叩きつけ、ついに自分への怒りをあらわにした。

 打率2割5分6厘、8本塁打、21打点で足踏みするポランコとは対照的に、米独立リーグ出身のウォーカーは同2割9分5厘、13本塁打、32打点の好成績。両助っ人を獲得した当初は「ポランコは中軸、ウォーカーは育成込みで実力は未知数」(球団関係者)と言われた。期待値は年俸にも反映され、ポランコは2億5000万円でウォーカーは3400万円(いずれも推定)だった。

 だが、今やウォーカーは打線に欠かせない存在となり、現状の立場は逆転。袋小路に迷い込んだポランコの救いは、リーグ戦が再開する17日まで試合がないことだろう。この4日間でいかにリフレッシュできるかが、今後の復調へのカギとなりそうだ。