新日本プロレス12日の大阪城ホール大会で行われたIWGPタッグ選手権は「ユナイテッドエンパイア」のグレート―O―カーン、ジェフ・コブ(39)組がバッドラック・ファレ(40)、チェーズ・オーエンズ(32)組から圧巻勝利を収め第95代王者に返り咲いた。

 本来であればタッグの絶対王者に君臨する実力を持ち合わせたオーカーン組だったが、3WAY形式で行われた5月福岡大会の初防衛戦では挑戦者組同士で決着がついてしまい王座陥落。不本意な形でベルトを失った。だが「負けたことがある」というのが、いつか大きな財産になる。オーカーン組はさらなる進化を遂げて、ベルト奪回の舞台に挑んだ。

 試合は王者組の巧みな連係にコブが孤立無援の戦いを強いられ、苦しい展開が続く。限界ギリギリのコブを支えているのは、オーカーンが助けに来てくれるという信頼。コブは今、赤んぼのようにオーカーンを信頼しきる事で支えられている。 そのコブの思いに、男の中の男・オーカーンは見事に応えてみせた。威力抜群の王統流二段蹴りで敵軍を分断すると、豪快無比のラリアートでファレを場外へ吹き飛ばす。コーナー上のオーエンズを驚天動地の雪崩式フロントスープレックスでリングに叩きつけ、コブのツアー・オブ・ジ・アイランド葬をアシストした。

 試合後のリングには、オーカーンとコブが5月にAEWマットに乱入したことによって、ROHタッグ選手権をぶち壊されたロッキー・ロメロが怒りの襲撃を仕掛けてくるが是非もなし。赤子の手をひねるがごとくエリミネーターで一蹴し、オーカーンこそが世界のタッグ戦線の支配者であることを満天下に示してみせた。

 試合後は「前回(4月両国大会)このベルトを支配した時『女子どもを助けたからベルトが取れた。よかったおめでとう』だ? 無礼をお許しくださいじゃすまねえ無礼だぞコノヤロー! プロレスラーはな、リングが一番なんだよ。リングの外で起きたことがそんな大事か?」と、女児救出によるオーカーン旋風によって真の実力が正当に評価されてこなかったことに憤りあらわ。ベルトを掲げると「これは実力で取るもんだ! 人気投票で取るわけじゃねえ! 人気投票と言えば、テレ朝で『プロレス総選挙』やってたな。余を祝え! 余に投票しろ。そんなにツラや華や、そういったものが好きならよ。ぜひ投票しろや。余の実力は本物だ」と、帝国民たちに呼びかけた。

 さらにオーカーンは「米国の…なんつったかな? あの怠け者が作った団体。そこを支配してやるよ」と、戦前の予告通り米AEWのタッグ戦線支配に乗り出すことも宣言した。怪物級の圧勝を繰り返すオーカーンの実力が、世界的に見ても傑出していることは疑いようもない事実。週刊プロレスもレスリング・オブザーバーも、米国のボクシング専門誌「リング」でさえも、プロレスラーの「パウンド・フォー・パウンド」1位にはオーカーンを満場一致で選出するはずと言っても過言ではない気がする。