栄冠奪取の「ご褒美」さえも奪われてしまうのか――。新型コロナウイルスの感染拡大により再び日本球界に激震が走った。選手が感染し、試合が中止に追い込まれた今回の〝震源地〟はソフトバンク。ただ、明日は我が身の他球団も対岸の火事というわけにはいかない。セ・リーグ首位の巨人はV2に向けて快走中だが、優勝決定後に行われる恒例の2大行事の開催も危ぶまれている。
今回は〝たまたまソフトバンクだった〟と言っても過言ではない。どの球団にも新型コロナウイルスの〝エジキ〟となる可能性はある。ソフトバンクは長谷川勇也外野手(35)が1日に陽性反応が出たことを受け、2日の西武戦(ペイペイ)を急きょ中止にした。開幕前に坂本、大城の両選手に陽性判定が出て、先手先手の対応を取ってきた巨人も神経をとがらせている。
2日の広島戦(東京ドーム)は2―9の惨敗とあって原監督も「話すことないんじゃないの?」とあきれ笑いを浮かべるほどだったが、2位ヤクルトとは4ゲーム差で依然として首位をキープ。リーグ連覇に最も近い位置にいることは確かだ。
現場レベルでは指揮官が普段から「まだまだ」と手綱を締め直しており慢心は見られないが、グラウンド外では「今年はビールかけも優勝旅行もできなくなるのでは? 一年間頑張った選手たちにはかわいそうだけど…」(球界関係者)との見方が広がっている。
まず、ビールかけに関しては「どうしても大声を出しながら『密』の状態になる。ファンに我慢してもらっていることを選手ならやってもいいのか?ということになりかねない」という。また海外に集団で移動するV旅行については「行く時期や相手の国の感染状況にもよるだろうけど、基本的に海外は無理でしょう」との見立てだ。
昨年9月21日に5年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた巨人では、主将・坂本の「酒を浴びて、浴びて、浴びまくるぞ~!!」の掛け声から3000本のビールがおよそ20分で消えた。その後の12月のV旅行には、総勢約270人が参加してハワイを満喫した。
しかし、昨年までとは何から何までが別世界。現在、ハワイ州政府は米本土や海外からの旅行者に対し、14日間の自己隔離を義務付けている。これを免除する「事前検査プログラム」を8月1日から導入する予定だったが、米国本土の感染拡大によって見送られた。
今後、規制が解除、緩和されるかは不透明だ。何よりもハワイに限らず「世界的にワクチンが普及することも必要だろうし、世間の目もありますから…」(球団関係者)という問題もある。長く厳しいシーズンを戦い抜いた選手にとって、その疲れを吹き飛ばしてくれるのがビールかけやV旅行。新型コロナはそんな〝ご褒美〟さえ許さないのか――。












