どうしてウチだけ…。広島がすっかり“ボーア恐怖症”に陥ってしまった。
5日の阪神戦(マツダ)に先発したのは、高卒3年目右腕の遠藤淳志(21)。1点リードの3回、同点に追いつかれてなおも二死満塁で〝眠れる大砲〟ボーアを迎え、カウント2ストライクから投じた甘いチェンジアップを右翼席へ運ばれてしまった。「ボーアに打たれて試合を決められてしまった」(遠藤)と、試合はそのまま3―8で敗れた。
このボーアこそが広島投手陣の最大の敵と化している。この2戦では一発を含む9打数4安打5打点。さらに6月上旬の練習試合を含めると5試合で17打数8安打11打点4本塁打と、とにかく打たれまくっているのだ。
開幕からわずか3戦目で4番降格となるなど、不振にあえいでいたボーアに“カモ”にされているのは痛恨だが、もともと広島サイドのボーア評は高かった。
「スイングスピードは速いし、内角のさばき方も悪くないと思っていた。今までなぜ結果が出ていなかったのか分からないくらい能力は高い。慣れていけばそこそこ打つはず」と、今回もこれを機に評価をさらに上方修正したほどだ。
ただ、開幕から巨人が12タコに封じ、ヤクルト、中日が打率2割台に抑えるなど(DeNAは7打数3安打)してきた新助っ人に、火を付けてしまったことはまぎれもない事実だ。広島が抑えていれば、このままフェードアウトしていた可能性もあっただけに、チーム内からは「うちとしても打たれて痛いが、よそに対して申し訳ない思いもある。ここまで眠らせていたのを起こしてしまった形になってしまったから…」(球団関係者)とライバル球団に対して異例の“ザンゲ”の声も上がっている。
「ボーアが打ち始めればチームの雰囲気が良くなり、他の選手にもいい影響がありそうなのが痛い」(チームスタッフ)とアーチ後には「ファイアボール」ポーズといわれるパフォーマンスをしたり、ベルトを切るほどのヘッドスライディングをするボーアの“ムードメーカー”ぶりにも注目しているだけに、乗せてしまったことへの罪悪感は強い。
いかに苦手な選手を作らないかが、シーズンを乗り切る鍵になるだけに一刻も早くボーア恐怖症から脱したいところだ。