全日本新体操ユースチャンピオンシップおよび男子新体操団体選手権大会が22日、東京体育館で行われ、新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」がエキシビションで演技を披露した。美しさを武器に戦う選手たちをサポートするため、彼女らには専属の美容コーチが就いている。メーク開発担当の和田沙絵さん、石崎真里奈さんに取材し、プロによるこだわりに迫った。

 一般のメークと競技用の最も大きな違いは化粧の〝持ち〟だ。コロナ禍でマスク着用が当たり前になった昨今、一般の女性でもメークの持ちを気にする人が増加。しかし、和田さんは「競技用メークは汗をかくことが前提のため、一般のそれよりも化粧持ちが強く求められます」と語る。また、メークできるタイミングも決まっているため、練習や演技本番を終えるまで崩れずに美しさを保てることが重要だ。

 もう一つは距離の問題。会話する距離の身だしなみとは違い、競技用メークは審判や遠く離れた客席にも見えなければならない。遠くから見てインパクトがあることに加え、最近ではカメラで至近距離で抜かれることも多いため、近くで見ても美しいメークパターンが要求される。「どちらからでもきれいに見せないといけないのは難しいポイントですね」(石崎さん)

 昨年の東京五輪決勝で日本代表は8位。新体操は5人の演技が揃っていることが必要不可欠だが、日本の強みはメークにも同調性があることだ。石崎さんは「海外では個々人で個性豊かにメークをしている選手も多いのですが、フェアリージャパンでは5人が〝5つ子〟に見えるように揃ったメークをしています」とこだわりのポイントを強調。5人の一糸乱れぬ演技をサポートするプロの技だ。

 加えて外せないのが、視覚的にも気分的にも華やかになることだと言う。昨年のフェアリージャパンのメークは、キーポイントとして「金色ラメライナー」という商品が用いられた。選手からの「キラキラしたものを使いたい」という声を受けて開発した商品で、華やかなメークは舞台上で衣装と相まって演技を際立たせてくれる。「選手からのヒアリングも欠かさず行い、選手が楽しんでメークできるようパターンの開発や提案を行っています」と石崎さんは語る。

 メークを開発する彼女たちは、見たものからインスピレーションを受けることもしばしば。和田さんは「抽象画とかを見て、色使いを取り入れてみたりとか。一見合わなそうな色を組み合わせることも、いまどきっぽいかなと思ってやってみることもあります」と明かした。

 フェアリージャパンの演技をより輝かせるために研究を怠らない美容コーチたちは、選手と二人三脚で舞台裏を支え続けている。