5年前からの〝ブーメラン〟か――。審判への不適切発言があったとして4試合の活動停止処分などを受けたラグビー15人制男子日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)には、同様の事案で現南アフリカ代表のラシー・エラスムスHCが処分された当時に「レフェリーは敬意をもって接せられなければならない」とメディアを通じて主張した過去があった。

 処分を決めた日本ラグビー協会は、今年4月に行われたU23日本代表のオーストラリア遠征中の試合における「現地マッチオフィシャル(審判団)等への発言」が対象の事案だと発表。5月の日本選抜対ホンコン・チャイナ選抜の2試合と6月のジャパン・フィフティーン対マオリ・オールブラックス戦、7月の日本代表対イタリア代表戦に参加できない。減俸と6月5日までのHCとしての指導自粛も科せられた。

 リーグワンがシーズン大詰めを迎えており、終了後の初夏は代表チーム作りの時期。イタリア戦は世界トップ国による初開催「ネーションズ・チャンピオンシップ」の初戦だ。そんな重要期間にHC不在となる。

 レフェリー批判で活動停止では、2021年夏に大きな事例が生じている。4年に一度結成される英国とアイルランドによるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズが南アに遠征した際、テストマッチ初戦を巡って敗れた南アの当時ディレクター・オブ・ラグビーだったエラスムス氏が、62分にわたるビデオ映像でマッチオフィシャルへの批判を繰り広げたとして問題視された。

 エラスムス氏はこの件で、あらゆるラグビー活動の2か月間停止の処分をワールドラグビー(WR)から科せられた。当時イングランド代表HCだったエディー氏の発言も、前後して英国などのメディアで報じられた。

 BBCの放送で、WRによる倫理・処分手続きがすみやかにとられるべきだと主張。「試合における敬意というものを確認する必要がある。我々は子供たちに、レフェリーに敬意を払うよう求めているのだから」。処分決定後は「一つだけ言えるのは、レフェリーに敬意を持ち、気を配ることだ。それらが試合での重要なパートである」(インディペンデント紙電子版)と述べている。

 そんな言葉が、W杯オーストラリア大会前年のこの時期、自らに返ってきた形となった。