〝なべじい〟苦節6年目の初白星――。阪神は30日の巨人戦(東京ドーム)に10―3で圧勝。開幕前に育成から支配下選手契約を勝ち取った渡辺雄大投手(30)が、中継ぎ登板でプロ初勝利を勝ち取った。

 開幕からブルペン入りし、今季10試合目。この日の出番は、2―2の同点で、先発ウィルカーソンの後を受けた6回2番手だった。「追い込んでから先頭をヒットを出してしまったんですけど、そのあとのバントを狙った通りに(アウトが)取れた」と先頭の代打・広岡に左前打を許したが動じず、直後の大城の犠打を素早いフィールディングで二塁封殺。後続の代打・若林、1番・吉川尚も「しっかりと落ち着いて、やるべきことができた」と連続三振。この回を15球で無失点に抑え、試合の流れを引き寄せた。

 直後の7回に虎打線が大量6点で勝ち越し、勝利投手の権利をゲット。8回にもリードを広げ、一気に試合を決めた。

 うれしい初勝利となった渡辺について、矢野監督は「ラッキーボーイ的な存在になってくれているし、左だけじゃなく、右でもいけそうな感じを出してくれている」と評価。10試合登板で自責0と、今やブルペンに欠かせない存在となっている。

 昨季限りでソフトバンクを戦力外となり、昨オフに育成契約で阪神に入団、キャンプ、オープン戦と好アピールで開幕前に支配下選手契約を勝ち取った。20台選手が大半のベンチ入りメンバーで、投手陣の中でも年長者の部類に入ることから〝なべじい〟の愛称で親しまれている苦労人は「まさか自分が初勝利ボールを手にするとは思っていなかったので、すごくうれしく思います」とウイニングボールを手に、新天地で得たプロ初勝利の感激を噛みしめていた。