ロシア・フィギュアスケート界の〝皇帝〟ことエフゲニー・プルシェンコ氏が主催した〝ロシア軍称賛ショー〟を批判した元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワが、〝反ロシア主義〟リスト入りしてしまった。

 9日に行われたプルシェンコ氏主催のアイスショーは、ロシア軍を激励する手紙を書くブースが設けられたり、チケットに同軍の象徴となっている「Z」のマークが記されるなど、政治色の強い催しになった。このイベントに出演後、非難したのがトゥクタミシェワ。「知らなかった。私はスポーツが政治から外れていると本当に信じたかったのですが、今日はそうではないことがわかった」「アスリートの演技が(政治的な)操作や説得の手段になってほしくない」と発言した。

 またペアに出演したアレクサンドラ・ボイコワも公演中にテレグラムに「友よ! 私たちの仕事はフィギュアスケートであり、それ以上ではない。本番前に誰も知らなかった」と、ロシア軍称賛イベントだったことは知らなかったと訴えた。

 両者について、ロシア国内のプーチン支持派は不快感いっぱいだ。ロシアメディア「エクスプレス・ガゼータ」は「今回の公演で、ロシアのフィギュア関係者の愛国心に注目が集まった。特にイベントに参加し公然と批判したトゥクタミシェワとボイコワの態度に憤慨する人が多かった」と報道。同メディアによると、フィギュア評論家のエレーナ・ロディナ氏が、SNS上に「反ロシア的主義」を持つフィギュア関係者をアップ。「今に始まったことではない。我が国のスケーターやフィギュア関係者は、昔からロシアを嫌っていた」と記し、リストにトゥクタミシェワやボイコワが加えられた。

 ロシアフィギュア界がまたまた混沌としてきた。