V奪回の陰の立役者となるか。矢野政権ラストイヤーとなる阪神は22日に渡辺雄大投手(30)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は92。同投手は昨オフにソフトバンクから戦力外通告を受け、育成選手として阪神入り。春季キャンプからアピールを続け、オープン戦は防御率4・15ながら登板5試合中4試合で無失点投球を披露して支配下復帰を勝ち取った。

 新助っ人やルーキーのような華やかさはないかもしれないが、期待は大きい。何と言っても阪神には「中継ぎ再生工場」の実績がある。古くは1997年オフにロッテから戦力外通告を受けて阪神にテスト入団した遠山奨志は、32歳となる99年シーズンに名将・野村克也監督の元でその才能を開花。63試合に登板し、左のワンポイントとして松井秀喜(巨人)を13打数無安打に抑え込み、虎党から大喝采を浴びた。

 記憶に新しいところでは2014年オフにオリックスからトレードで入団した桑原謙太朗は32歳となる17年に自己最多の67試合に登板し、39ホールド、防御率1・51をマーク。13年にオリックスから阪神に移籍した高宮和也も34歳となる15年に登板52試合で防御率3・03の好成績を残した。

 阪神は救援左腕の及川と岩貞が開幕目前に揃って負傷離脱。現状で計算できる左の救援投手は岩崎しかいないという緊急事態に陥っていた。

 渡辺は独立リーグのBC新潟から26歳でNPB入りした苦労人。球団関係者も「対左の切り札として渡辺は面白い存在。うちは遠山さんや桑原のような成功例も多い。渡辺もうちで開花してくれれば」と大いに期待を寄せている。