阪神・佐藤輝明内野手(22)が2年目のジンクス打破、そしてチーム悲願の17年ぶりリーグ制覇へ向け、大ハッスル中だ。11日の練習試合・日本ハム戦(名護)では4タコに終わってしまったものの、評論家・伊勢孝夫氏は「充実した自主トレを終え、キャンプに備えてきたことがよくわかる」と高評価。さらなる飛躍へ向け〝春季集中特訓指令〟を送った。


【新IDアナライザー 伊勢孝夫】阪神は5日の紅白戦(宜野座)を含め、すでに実戦3試合を消化。正直に言うと実戦に突入する時期が早すぎるとは思う。まだ打者が変化球にまるで目慣れしていないからだ。数少ない例外のひとりが佐藤輝。8日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)の第1打席では、真ん中低めへ沈むスライダーを捉え左前適時打。いい自主トレ期間を過ごし、準備してきたことが十分に伝わってきた。

 ただ、このコースへのこの球は昨季も打てていた。問題はやはり昨季散々苦しめられた、インハイへの対応だ。この時期はまだ相手バッテリーも厳しい攻めはしてこない。敵軍の将・新庄監督が「実戦はもういい。今はまだ練習がしたい」との趣旨のコメントをしていたそうだが、私もそれは理解できる。

 佐藤輝の今季の目標は打率2割8分、30本塁打というところだろうか。もちろん今のままでは厳しい。そこに到達するために、彼にこの時期取り組んでほしいのは、インハイのコースに徹底的にフォーカスしたティー打撃練習の反復だ。

 キーワードは「大根切りにならず、バットのヘッドを立てて打ちにいく」こと。私が野村政権下のヤクルトで打撃コーチ職に就いていた際、同様の特訓を池山隆寛にも課していた。トレーニングのために十分な時間を割くことができる春季キャンプ中の今こそ、佐藤輝にも取り組んでほしい。

 キャンプが終わり3月に入れば、オープン戦などで嫌というほど打席に入れる。その時に敵軍スコアラーの前で「今年はインハイも打てるぞ」とガツンと1、2発かましてやればいい。そうすれば相手バッテリーの分析も対策も配球も一気に後手にまわる。佐藤輝が勝負の主導権を握ることができる。

 この日も2安打をマークした大山の状態もよさそうだ。佐藤輝と2人で30本ずつ、計60本塁打をマークできれば、今季こそ阪神のリーグ制覇は現実味を帯びてくるだろう。(本紙評論家)