【2021プロ野球残念案件】七転八倒しながらも、どうにかAクラスを死守した2021年の巨人。さまざまなことが起きたペナントレースの中でも〝暴風〟が吹き荒れたのが中田翔内野手(32)の電撃加入だった。
日本ハムでの暴力行為により、8月に球団から無期限出場停止処分を受けた中田。謹慎の身となり、引退まで考えたというが、〝北の大砲〟を救済するべく周囲が動き出した。日本ハム側が巨人にトレードを打診。巨人側も本人が猛省していることを確かめ、中田を「このまま殺しちゃダメだ」と獲得に踏み切った。
中田は同月20日に巨人で行われた入団会見で謝罪し、翌21日には新天地でデビューを果たした。しかし、出場停止処分が実質的に9日間で解かれた〝あいまいさ〟、日本ハムでファンらに向けて謝罪する場が設けられなかったことなどへの批判が相次ぎ、移籍騒動は拡大の一途をたどった。
当時、巨人側もある程度の批判は覚悟の上だったという。だが、抗議電話が鳴り、ネット上も連日の大荒れ。球団関係者は「あれだけコンプライアンスに厳しい山口オーナーが中田の獲得を認めたことが何よりも驚きだったが、ここまでの騒ぎになるとは考えていなかったんじゃないか」と語っていた。
すべての発端は本人の愚行にあったが、中田は両球団に現役続行の道を開いてもらった一方で、その両球団に翻ろうされる形で、猛烈な逆風の中でのプレーを余儀なくされた。騒動は時間の経過とともに沈静化するどころか長期化。そもそも中田は腰痛の影響で不振にあえぎ、移籍後も凡退を繰り返してはまた炎上…。「中田は選手だから『行け』と言われたら行くしかない立場。現役を続けられたことは良かったと思うけど、これだったら気持ち的には引退した方が楽だったかもしれない」(球団スタッフ)と同情の声まで聞かれたほどだった。
最終的に中田は打率1割台に低迷。激動の一年を終えて「なぜか失敗を恐れている自分がいた。もっともっと気持ちを前面に出してやっていきたいなと。周りに萎縮せず、余計なことを考えず、自分らしくやっていきたい。いい意味で荒々しく、全てを解放して、また一から頑張りたい」と誓った。移籍2年目はグラウンドでどんな暴れっぷりをみせるのか――。












