ソフトバンク・高橋礼投手(26)が14日にペイペイドームで契約交渉に臨み、1350万円ダウンの年俸5400万円でサインした。「今年の結果に対する評価。はっきりと金額にも表れていると強く感じました」と冷静に受け止めた。

 今季は開幕ローテーション入りしたが、4月に再調整のため二軍降格。カーブ習得が裏目に出て自己ワーストの登板11試合にとどまり、1勝1敗、防御率5・82と精彩を欠いた。プロ2年目に新人王を獲得して侍ジャパン入り。3年目の昨季も中継ぎでチーム最多登板とフル回転した。貢献度に比例して年俸も1200万円→1400万円→5000万円→6750万円と右肩上がりだった。今回はプロ初の減俸、しかも20%の大幅減。ショックは当然大きかったが、契約更改後の会見では口ごもることもなく、来季年俸をすんなり明かした。

 各メディアで報じられるプロ野球選手の年俸はあくまで「推定」。球団側や本人への取材でおおよその額を出す。だが、高橋礼は「僕は10万円単位まで本当の数字を言うようにしています」。理由は「プロ野球の世界は夢がある。同時に、厳しい世界でもある。それを知ってほしいという思いがあるんです。給料が下がった時には、自分への戒めにできる」からだ。

 昇給ならまだしも減俸なら気が進まないこともあるだろう。だが、大減俸でも顔色一つ変えず即答したのはプロ入りからの流儀があったからだ。やったらやったぶん、V字回復できる。来オフも間髪入れず〝正確年俸〟を明かし、夢を与えるつもりだ。