【ヘルス新潮流】アルコールは肝臓だけでなく、腸内環境を乱したり体の粘膜までも刺激するのをご存じだろうか。だからこそ、一緒に取るつまみや食事の栄養面を意識すべきだという。前回に続きオーソモレキュラー療法の専門家・溝口徹先生にお酒と栄養の関係、さらには上手な付き合い方を教えてもらおう。

 ――アルコールが腸内環境を乱すのですか

 溝口徹医師(以下溝口)お酒を飲むとおなかを下す人がいると思いますが、それはまさに腸内環境が悪化しているサインです。アルコールは粘膜へ直接刺激を与えるため、胃で血流障害を起こす可能性もあります。この直接刺激が腸で起これば下痢につながっていきます。さらに、腸内環境が乱れ、腸に炎症を起こしている場合、便の水分量が増えて下痢をすることもあります。また、お酒を飲んだ翌日に鼻がつまるという人もいますが、これは粘膜が炎症を起こしてむくみ、荒れているというサインです。

 ――栄養療法の専門家でもある先生は、新著「お酒の『困った』を解消する最強の飲み方」(青春出版社)でつまみや食事に気を使うべきだと提唱されていますね

 溝口 腸内環境を整えるために食べると良い食材は、タマネギ、キャベツ、ブロッコリー、アスパラガス、ニンニク、大豆、はちみつ、バナナ、玄米、キノコ類など。お肉と野菜を取り入れると良いでしょう。例えば豚肉などを使ったお肉料理にキムチを合わせると腸内環境を整えてくれる乳酸菌や食物繊維が取れるのでオススメです。

 ――粘膜を丈夫にする食材もあったりしますか

 溝口 ビタミンDやビタミンAを多く含む食べ物です。レバーにはビタミンAが多く、魚の内臓にはビタミンDが多く含まれます。例えば、サンマを内臓を取らずにまるごと焼いて食べたり、焼きメザシやシシャモを食べると粘膜の状態を良好にすることができます。サンマをまるごと食べるのは苦くて抵抗があるという方もいると思いますが、苦玉と呼ばれる魚の胆のうを取り除くと甘苦くておいしいです。

 ――健康にお酒を飲むには食べ物も大切なんですね。他に、お酒と上手に付き合うコツはありますか

 溝口 お酒を全く飲まない日を1日でもつくることが大事です。よく、お酒が大好きな人は、肝臓を休ませると言ってビールだけで済ませようとしたりしますが、そうではなく、アルコールを体に入れない日をつくることが重要なのです。

 ――1日だけでもいいのでしょうか

 溝口 はい。1日だけでもやる価値はあります。それを応用して、もう少し頻度を増やすとか、ある一定期間ずっとアルコールを飲まない期間がつくれると、休ませたぶん肝臓を修復して復活させることができます。

 ――そういうものなんですか

 溝口 私は、オーソモレキュラー流・禁酒プログラムというものを考案し、1年のうちどのタイミングで禁酒するか、年間スケジュールとして落とし込んでいくことで計画的に休肝と飲酒を行えるようなシステムを作っています。こうした取り組みや、栄養療法を通じてアルコール依存を克服した患者さんもいました。まずは忘年会や新年会など、お酒絡みの大きなイベントの前に禁酒して1週間だけ肝臓と腸を休ませてみてはいかがでしょうか。

 ――既に忘年会シーズンなので、それが終わった年末に禁酒してお正月に備える手はありますね

 溝口 お酒を楽しむための禁酒だと思えば、なんとか乗り切ることができるはずですよ。