「娘が○○というアイドルが好きでね」

「えっ、○○の事務所なら仕事で取引があるので、今度、サインをもらってお持ちしますよ」

「そうしてくれると、娘も喜ぶな」

 話の中で、こんな口約束をすることがあります。しかし、約束が守られることはあまりないようです。それは、約束した方が、社交辞令や話の成り行きと軽く考えていて、すぐに記憶から消えてしまうためです。

 でも、申し出を受けた方は、どんな小さな約束でも覚えていて、約束が果たされない限り、記憶に強く残るわけです。「ささいなこと」「守られなくても仕方がない」と分かっているので、催促をしたり怒ったりはしませんが、相手に対する信頼感は確実に失われます。

 お金持ちになれる人は、こんなささいな約束ほどきちんと守ります。一方、お金持ちになれない人は「重要な約束さえ守っていれば信頼される」と考えています。

 しかし、重要な約束というのは守られて当然です。例えば、有望な投資家との面談の時間を忘れる人はいませんし、恋人との待ち合わせだって忘れないでしょう。つまり、重要な約束を守っても信頼度のポイントは加算されないということです。

 ところが、酒席や立ち話でした約束というのは、先方も「守られなくても仕方がない」と、どこかで思っています。だからこそ、期待していなかったことが実現すれば「覚えてくれていた!」と、うれしくなるわけです。

 当然、信頼度は急上昇し、相手は「今度は自分が一肌脱いでやらなければ」という気にもなります。それが、出世やお金儲けのチャンスにつながるのは言うまでもありません。小さな約束ほど忘れずに守ることが大切なのです。