香港有数の財閥のボスには有名なエピソードがあります。このボスが「ごちそうするよ」と言うと、お声がかかった人たちは皆、先に食事をしてから行くのだとか。
というのも、ボスはメニューを見ながら、「フカのヒレは昨日食べたし、アワビは今日の昼に食べたばかりだし」などと言って、安いものばかり注文するのです。高価なフカヒレやアワビはなるべく注文しないで済むような作戦に出るとは、すご過ぎる節約精神です。
香港といえば、胡文虎氏も世界的に有名な大富豪で、実は、胡氏は「値切りだんな」としても有名でした。
2ドルの歯ブラシを1ドル80セントにまけてくれる店を探すために、香港中をロールスロイスで駆け回ったそうです。たとえ20セント値切れたとしても、ロールスロイスのガソリン代にもならなかったでしょう。
大阪人に代表される関西にも、ひときわドケチと評判の社長がいて、面白い話が残っています。
大きなビルの中に事務所を構えていた社長は、自分の机は窓際と決めていました。窓際は明るいので、わざわざ電灯の明かりの必要がないからです。
また、彼が手紙を出す時は、便箋や封筒もどこかのホテルのものでした。ホテルに宿泊すれば、便箋や封筒は備え付けのものを自由に使えますし、持ち帰りもOK。社長にはこんな言い分がありました。
「ホテルのネーム入りの封筒、便箋を使って手紙を出すというのは、大いに宣伝になること。こちらもただで使わせてもらい、ホテルの宣伝をしてあげるわけですから、両方が得するわけです」
「なるほど! そうきたか」と思ってしまいますね。
幸運に恵まれ、一気にお金持ちになった人を除いて、一から自分の力でお金をつくってきた人は、独自の金銭感覚を持っているものです。










