春季キャンプ中に頭部に打球を受けて手術をしたオリックスの丸毛謙一外野手(26)の引退セレモニーが3日、ウエスタン・リーグの広島戦(神戸サブ)で行われた。丸毛は5番・左翼で1回表の守備だけに出場。一死で広島の2番打者・安部が打ち上げた左飛を“ラストキャッチ”した。

 1回表終了後に両軍ナインがベンチ前に整列し、ベテランの谷から花束を贈られた丸毛は「こんなに盛大にセレモニーをしてもらって、悔いのない終わり方ができました」と感謝。スタンドで見守った大阪・豊中在住の父・英美さん(60)も「(プロ生活)5年間ですが、よう頑張ってくれました」と涙した。

 丸毛は大阪経済大から2010年のドラフトで育成選手として巨人に入団。13年オフに自由契約となり、オリックスに入団した。支配下選手となり、14年3月28日の日本ハムとの開幕戦(札幌ドーム)に代走で出場するなど今後が期待された。

 しかし、今年の宮崎キャンプ中の2月5日、練習中に左側頭部に打球が直撃。宮崎市内の病院で「急性硬膜外血腫」と診断され、開頭手術を受けた。その後はリハビリに励んだものの、医師から「同じ箇所に再び衝撃を受けると生命にかかわる」と警告され、引退を決意。2日に任意引退選手として球団から発表された。

 不慮の事故で引退を余儀なくされたが、球団関係者は「本人からの申し出での引退ということもあり、補償という形にはならないようだ」という。プロ野球統一契約書の第11条(障害補償)に「選手が負傷し、あるいは疾病にかかり後遺障害がある場合、6000万円を限度としてその程度に応じ、補償金を選手に支払う」とあり、これに該当しないと判断されたとみられる。

 丸毛は今後は二軍スタッフとしてチームを支える予定。瀬戸山球団本部長は「彼自身、これからも野球に携わっていきたいとのことでしたし、彼は特に人柄もいいので今後も頑張っていただきたい」と期待を寄せた。