球団史上初となる連覇を狙う阪神ナインは、それぞれが自主トレなどで2月1日からスタートする春季沖縄キャンプへ向け着々と準備中だ。主力の大半が20代後半~30代前半と脂の乗り切った年齢を迎えているだけに、今季のペナントレースも猛虎が優勝候補筆頭であることは疑いようがない。

 チーム最大のストロングポイントは昨季、救援防御率1・96という数字をマークした質量豊富なブルペン陣だ。なかでも、右のエースリリーバーとしてフル回転した石井大智投手(28)は53試合登板で防御率0・17という異次元の成績をマークし、50試合連続無失点というNPBレコードも樹立。すでに来春のWBC出場メンバーにも選出されており、国際舞台での活躍にも期待が集まる。

 そんな背番号69は昨年末の契約更改の場で、ポスティングシステムを利用したメジャー移籍の意向を球団に伝達。「まだ海外FA権の取得までには時間がある。僕らはいつ投げられなくなってもおかしくない。権利は球団にありますがお話しさせていただきました」と決意をにじませた。

 右腕は「自分がメジャーで通用するにはまだまだレベルアップが必要」と語るが「石井の能力を誰よりも認め、メジャーでの成功を願っているのは他ならぬ藤川監督ではないか?」と球団関係者は語る。

 現役時代は「火の玉守護神」として9回のマウンドに君臨していた藤川監督は、就任1年目の今季序盤から石井をゲーム終盤の重要局面で起用。現クローザーの岩崎が不振の時は、その代役として石井をチョイスするなど、全幅の信頼を自身のタクトで示していた。

「スピードガンに表示される数字上の球速だけには頼らず、ホップ成分の高い直球で打者を打ち取るスタイルは両者ともに相通じるものがある。ともに(四国IL)高知でプレーした経験があるのも何かの縁なのだろう。準永久欠番となっている藤川監督の背番号22が最もふさわしいのは石井だ」と語るのは同球団のOBだ。

藤川球児の火の玉ストレート
藤川球児の火の玉ストレート

 2013年からの計3シーズンを米国で戦った藤川監督だが、右肘の負傷などにも泣き、活躍することはできなかった。映画「ベスト・キッド」にも例えられた〝火の玉直系の弟子〟が、野球の本場MLBで師のリベンジを果たす日は来るのか――。