ブルージェイズがワールドシリーズで3勝1敗と32年ぶりの頂点に王手をかける中、その原動力となっているのがウラディミール・ゲレーロ内野手(26)だ。ここまでポストシーズンで記録中のOPS1・337という数字は歴史に名を残す名打者ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグが記録した1・214を大きくしのぐ。しかも本塁打8、安打数25という量産体制で打席数以上のインパクトを残している。
このゲレーロの活躍にはカナダの地元メディアも称賛を惜しまない。カナダ全土でネットワークを築く民間放送局「グローバルネットワーク」も「MLB殿堂入りを果たした父親ゲレーロ・シニアの血統が色濃く投影されている」と評し、絶賛している。
ブルージェイズの生え抜きとして2019年のメジャーデビュー以来、MLBで7年間プレー。トロントの主砲として誰もが認める存在だがタイトル獲得歴は意外にも21年の最多本塁打(45本)のみで以降、今季も含め無縁だ。今年4月に14年総額5億ドル(約728億円)でブルージェイズと契約を延長したものの前出の「グローバルネットワーク」によれば、当時の球団幹部たちは「この金額を払っていいのか」と腐心していたという。しかしながら今、ゲレーロは自らがモットーとして貫く「燃えている (スペイン語『en fuego』)」という言葉通り、スイングも打球も破格契約に十分見合う別格の働きでインパクトを与え続けている。
その一方で大谷翔平投手(31)属する相手のドジャースは「ゲレーロ旋風」の前に苦戦を強いられているのが現状だ。先月28日(日本時間同29日)に実現した投手・大谷との直接対決ではゲレーロが1点を追う3回にWS7号となる逆転2ラン。ブルージェイズ打線の核として、また攻撃時でもベンチでチームメートを鼓舞し続けるなど〝打倒ドジャース〟を体現している。
米国のMLBファンもSNS上では「ゲレーロが歴史を塗り替えつつある」「オオタニの前に立ちはだかる新たな王者候補」といった声も飛び交っており、注目は完全にゲレーロに集中。ブルージェイズとしても大谷という絶対的なスターを相手にするだけに、ゲレーロの〝異次元打席〟が勝利のキーポイントとなる。
残り1勝。シリーズフィナーレを占う先月31日(同11月1日)のWS第6戦(ロジャース・センター)はドジャースの失点を最小限にとどめたい先発・山本由伸投手(27)と打棒爆発で援護したい大谷らLA攻撃陣、何としてでも本拠地で栄冠をつかみ取ろうと燃えに燃えているブルージェイズ側の〝総力戦〟となる。
果たしてゲレーロが打球を弾丸のように放ち、チームを悲願達成へと導けるのか。それとも崖っぷちのドジャースが、トロントの勢いを止められるのか。












