第97回選抜高校野球大会第1日第3試合(18日、甲子園)は春連覇を狙う健大高崎(群馬)が延長10回タイブレークの末、3―1と明徳義塾(高知)との強豪対決を制した。

 先発左腕の下重賢慎(3年)が重圧の中で最後まで投げ抜いた。大会屈指の158キロのエース・石垣元気(3年)が直前の練習試合で左わき腹を負傷。昨春の優勝投手となった佐藤龍月(3年)も左ヒジ手術の影響で投げられない。そんな中で命運を託された下重が堂々たる投球を見せた。

 相手エース左腕の池崎(3年)と一歩も譲らない投手戦を展開。1―1で迎えた延長10回、栗原(3年)の適時二塁打と暴投で2点の勝ち越しに成功。石垣も肩を作っていたが、雨風が強まる中で下重はその裏も投げ切り、反撃を封じた。136球を投じ、目を潤ませて勝どきを上げた下重は「もう1点は取られない、という思いでもっと本気になって投げた。明徳さんは絞り玉をしっかり打ってくる。1巡目は外、二巡目は内、と前から考えていた。秋から目標にしてきた粘りのピッチングを発揮できた。これからも自信にしたい」と胸を張った。

 エース右腕の直前のアクシデントとなったが「言われなくても自分から先発いきたいと言うつもりだった。やってやるぞと。石垣は注目されていてプレッシャーもあると思う。少しでも自分が和らげて、支えてあげられるようにしたい。最後まで1人で投げるつもりだった。石垣には投げさせたくなかった」と迷いはなく、最後まで腕を振った。

 戦前は馬淵監督から「優勝戦線を狙うんだったら石垣君を休ませた方がええですよ。春先やから無理せん方がええ」と石垣の登板回避を〝提言〟されていた青柳監督だったが、その通りに休ませることができた。「下重はボールが多かったけど、粘り強く、ピンチでもあわてずに投げていた。石垣は痛みもなく、準備はしていた。次は大丈夫です」と満を持してエース投入の構え。連覇に向けて視界良好だ。