妖精が舞った! フィギュアスケート四大陸選手権(エストニア・タリン)の女子フリーが22日に行われ、ショートプログラム(SP)1位の三原舞依(22=シスメックス)が145・41点をマーク。合計218・03点として2017年以来2度目の優勝を果たした。
目をつぶって精神を集中し、銀盤の中央でスタンバイ。美しいピアノの音色が流れると、四肢をゆっくりと動かした。冒頭のルッツ―トーループの3回転連続ジャンプを皮切りにダブルアクセル(2回転半)、3回転フリップ、3回転サルコーを華麗に決めた。後半に入っても連続ジャンプで加点を引き出し、スピンとステップはレベル4。演技を終えるとしゃがみこみ、あふれる涙を両手でぬぐった。
常に素直な感情をスケーティングに投影する三原は、いつものように試合後の会見でも心の言葉を並べた。「始まる前から涙をこらえていた。本当に泣きそうで、とりあえず涙は出さないでおこうと思って」と演技前の心境を振り返りつつ「表彰台の一番上に立つことができて本当にうれしくて、夢なんじゃないかなって思ったりするんですけど、夢じゃないのでうれしいです」と笑顔を見せた。表彰台テッペンからの景色を問われると「『君が代』をエストニアのすてきな街の舞台に流してもらうことができて、すごくうれしいです」と話した。
三原の演技には「涙」がつきまとう。19ー20年シーズンに体調不良で休養し、苦労を重ねたことはファンも知っている。彼女が演じた後は必ずスタンディングオベーションが起き、観客も涙を流す。昨年12月の全日本選手権のSPでは劇中の主役に感情移入するあまり演技中に涙。ジャンプ全盛の昨今だが、三原のスケーティングには得点を超えた「美」が詰まっている。
北京五輪は惜しくも出場を逃したが、四大陸選手権でも「日本代表としてしっかり悔いなく責任をもった演技ができるように」と自分らしく滑った。大会中はファンから受け取った手紙を読み「本当に幸せ者だな」とかみしめつつ「その方々に少しでも笑顔になり、元気になってもらえる滑りがしたいと思った」。5年ぶりの金メダル獲得の裏にある周囲のサポートを最後まで忘れることはなかった。












