陸上男子100メートルで世界選手権(7月、米オレゴン州)代表のサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)は、慌てることなく歩みを進めている。

 10日に行われた日本選手権の同種目で10秒08をマークして優勝を果たしたが、早くも12日にはダイヤモンドリーグ(ノルウェー・オスロ)に出場するために、羽田空港を出発。出発前には報道陣の取材に応じ「とりあえず、まずまずの結果だった」と日本選手権を振り返りつつ「これからノルウェーに行って、その後は米国に戻る予定。まだ全然つくり上げている段階なので、修正というよりは、とりあえず調子をもっと上げて(米国に)帰ってからコーチと話していろいろやっていきたい」と展望を語った。

 10日の決勝後には「これから体の調子を戻していって、来年は両方(100&200メートル)出られたら」と話し、200メートルにも意欲を示していた。しかし、昨季はヘルニアに悩まされていたこともあり、必要以上の無理はしない方針。「今年はたぶんほとんど200に出ない。今年は100メートルに集中したい」。まずは世界選手権で出場する100メートルのレベルアップを目指していく。

 世界選手権までは残り約1か月。「あまりタイムは考えていないが、今年復帰して体の状態もよくなってきた。自分がどれだけ行けるかという楽しみが大きい」。4大会連続の大舞台で、日本のエースが今の実力を確かめる。