テニスの4大大会「全豪オープン」の女子シングルスでは、大坂なおみ(28=フリー)がプレー以外でも大きな話題を集めた。24日の3回戦を前に「左脇腹の負傷」を理由に棄権したが、1回戦は奇抜な衣装、2回戦では自身の発言に全世界が注目。賛否両論が巻き起こる中、テニス解説者の佐藤武文氏が騒動の背景に迫った。

 1回戦ではクラゲをモチーフにしたド派手な服装で登場。一部からは批判の声が上がるも、佐藤氏は「年が変わって最初のグランドスラムはエポックメイキング(画期的な出来事)なことは結構ある」との見解だ。過去にはアンナ・クルニコワ(ロシア)がサンバイザーを着用したスタイルで出陣。サンバイザーがテニス界で普及する一つの要因となった。

 またメンタル面に関する狙いがあったと分析する。「大坂選手はファッションが大好きなので、冷ややかな視線というよりは、彼女ならやるよねという感じ。あとは目立つ以上は試合にも勝たなきゃいけないので、自分自身にいい意味でプレッシャーをかけたんじゃないかな」。

クラゲをモチーフにしたド派手な服装で登場した大坂なおみ(ロイター)
クラゲをモチーフにしたド派手な服装で登場した大坂なおみ(ロイター)

 2回戦では第3セットにソラナ・チルステア(ルーマニア)のサーブ時に、大坂が小さな声で「カモン」と発したところ、相手が激怒。試合直後には不満を漏らす場面もあった。ただ、審判は「サーブの動作に入る前は問題ない」と説明しており、コート内で問題は解決していた。

 しかし、女子テニス界のレジェンド、マルチナ・ナブラチロワさんや男子テニス、ノバク・ジョコビッチの妻エレナさんが苦言を呈し、火に油を注ぐ形となった。佐藤氏は「審判が『問題ない』と言ったので、本来であればそこで終わる話。レジェンドだけでなく、何でかわからないけど、ジョコビッチの妻がコメントしたのでより過熱してしまった」と指摘。周囲の過剰反応で思わぬ混乱が生じてしまったわけだ。

 思わぬ事態に巻き込まれた大坂は3回戦を前に棄権したが、1、2回戦のパフォーマンスは今後の活躍を期待させるものだった。佐藤氏は「テニス選手は外からさまざまな意見が飛んでくる。それを受け流すことも選手寿命を伸ばすことにもつながるので、全てをリフレッシュしてほしいし、次の大会を楽しみにしたい」とエール。周囲の〝雑音〟もはねのけて完全復活なるか。