一体いくらなのか。マラソンで世界を席巻し、物議も醸した米スポーツ用品大手ナイキの厚底シューズで、29日に発売される新商品の「価格」が注目されている。

 新モデルは「エアズームアルファフライネクスト%」。ナイキのホームページには、価格や販売店などの情報はまだ見られない。

 ランナー垂ぜんの新モデルにネット上では「いくらになるのか」「3万なら確実買いそう」「いくら出しても買います」と値段も関心を呼んでおり、詳細の発表が待たれるところだ。

 昨年のロンドン・マラソンでの男女トップ3独占や、男女の世界新記録など、記録向上を導き話題になったナイキの厚底。2017年に「ヴェイパーフライ」シリーズが登場し、最近は「ズームXヴェイパーフライネクスト%」が好記録をアシストしてきた。

 厚底は一方で反発力を生む構造が問題視され、世界陸連は先月末、新規則を定めた。「アルファフライ」は、反発力を生む炭素繊維のプレートは1枚で、英紙ガーディアン(電子版)によると底の厚さは3・95センチと規定の4センチに収めた。新規則に抵触せず、今夏の東京五輪で使える見込み。

 ナイキのホームページによると新モデルは「ヴェイパーフライネクスト%」がグレードアップされたシューズ。男子マラソンで世界記録を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)がこの試作品を履き、昨年10月の特別レースで非公式記録ながら42・195キロで史上初の2時間切りを達成した。ヴェイパーフライネクスト%は3万円以上。となると、高性能のアルファフライはより高額になりそうだが、コストダウンが図れればそれなりに落ち着く可能性も。

 日本で厚底が注目され始めたのは、大迫傑ら有力選手が「ズームヴェイパーフライ4%」(当時税別2万4000円)を履いて好記録を出した17年だった。翌年には5万5000円(同)の「ズームヴェイパーフライエリート」の購入権を争うレースに110人の一般市民ランナーが参加。最近の厚底禁止騒ぎも相まって、新商品は転売などのフィーバーが起こりそうだ。