NY5大マフィアのドン射殺犯 意外すぎる犯行動機

2019年03月20日 17時30分

ニューヨークの殺害現場(ロイター)

 米ニューヨークで先週、ハリウッド映画の名作「ゴッドファーザー」3部作のモデルにもなった同国最大級の犯罪組織・ガンビーノ一家のドンが射殺されるという衝撃事件が発生。ニューヨークでマフィアのボスが殺害されたのは34年ぶりで、当局には「内部の勢力争いか、マフィア同士の抗争勃発か!?」と緊張が走った。そんな中、実行犯として逮捕された24歳の男の供述から、予想もしなかった犯行動機が判明した。

 ニューヨーク市警によると、事件が起きたのはは13日午後9時20分ごろ。同市スタテン島の高級住宅地にあるガンビーノ一家のボス、フランチェスコ・カリ氏(53)の豪邸前に止めてあった同氏のキャデラックに、若い男がピックアップトラックをぶつけた。

 男は車内にいたカリ氏と激しく口論した末に銃を取り出し発砲し、乗ってきた車で逃走したという。騒ぎに気づいた関係者が通報し、同氏は救急搬送されたが、体に約10発の銃弾を受けており病院で死亡が確認された。

 事件発生から3日後の16日、市警はアンソニー・コメロ容疑者(24)をカリ氏殺害の疑いで逮捕。18日にスタテン島の裁判所に出廷したコメロ容疑者は、自身の左の手のひらに青いボールペンで書きなぐられた「我々は一体となってMAGAを永遠に支持する」とのメッセージを掲げて見せた。MAGAとは「米国を再び偉大な国に(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)」の略語で、トランプ米大統領のスローガンだ。

 事件の背景にはいかにも政治的な意味合いがあるかのようなメッセージだが、実際の犯行動機は全く違った。

 コメロ容疑者は自分が思いを寄せるカリ氏のめいとの交際を、同氏が妨害しようとしたことに腹を立て、犯行に及んだというものだ。当局はカリ氏のめいとコメロ容疑者の関係など、詳しい状況を調べる方針だ。

 一方、コメロ容疑者は来週、罪状認否のため再び出廷するが、すでにガンビーノ一家からと思われる脅迫が届いており、当局による厳重な警護のもと拘束されると地元メディアは伝えている。

 殺害されたカリ氏は2015年にニューヨークの“5大ファミリー”の一つ、ガンビーノ一家の実質的なボスとなった。自身はニューヨーク生まれだが、両親はマフィアと密接な関係にあるイタリア・シチリア島パレルモ市出身。パレルモのガンビーノファミリーのボスとも親戚で“ガンビーノ一家とシチリアマフィアの橋渡し役”だったという。

 前回ニューヨークでマフィアのボスが殺害されたのは1985年。やはりガンビーノ一家の当時のボスだったポール・カステラーノが配下組織の殺し屋に暗殺された。