米軍の展覧会状態となっている。北朝鮮が相次ぐミサイル発射に加え、核実験に踏み切る動きを見せている中、バイデン米大統領(79)が22日、就任後初めて来日した。歩調を合わせるかのように米軍は最新鋭の米軍戦力を日本に展開し、24日までの滞在中に金正恩朝鮮労働党総書記が挑発行動に出ないよう強力なけん制態勢を敷いているのだ。
バイデン大統領は岸田文雄首相と23日に東京都内で会談する。バイデン氏を乗せた「エアフォースワン」(大統領専用機)は22日夕方、韓国から東京・横田基地に到着した。横田基地からは「マリーンワン」(大統領専用ヘリ)に乗り換え、六本木のヘリポートに移動し、宿泊先にはキャデラックを改良した「ビースト」(大統領専用車両)で移動。都内は厳重な警備態勢が敷かれた。
バイデン氏の訪韓、訪日で、米軍は派手な動きを見せている。21日に横須賀港に初寄港したのは米海軍の原子力空母「エーブラハム・リンカーン」。世界最大級の米海軍ニミッツ級空母で、今年に入ってから東シナ海や日本海などに展開している。
インド太平洋地域は同じく原子力空母で横須賀を母港とする「ロナルド・レーガン」が配置されているが、2隻態勢は異例だ。
リンカーンは補給目的で、短期間で再び出港するとみられるが、注目されるのは搭載しているF―35Cステルス戦闘機だ。2019年から米海軍に配置されているロッキード製の最新鋭戦闘機で、今年1月に空母「カール・ビンソン」への着艦失敗で海中に墜落。中国が機体回収に乗り出す動きも見せた中、米軍がすぐさま機密情報が満載の同機を回収したことも話題になった。
また20日に、沖縄の米軍嘉手納基地に3年ぶりに飛来したのは「ナイト・ウオッチ」の異名を取るE―4Bだ。ボーイング747をベースにした飛行機で、機内は通信機器を満載した司令部になっていて、地上や洋上での作戦が困難となった場合に大統領や国防長官が乗り込んで、指揮を執る。
核有事となった際に出番が来るために「地球最後の日の飛行機」ともいわれる。今回、航跡が分かるように威嚇飛行しており、これまた異例とされる。
これら米軍の動きについて、元韓国国防省北朝鮮分析官で拓殖大学主任研究員の高永喆氏は「北朝鮮が弾道ミサイル発射や7回目の核実験に踏み切る可能性が極めて高い兆しが検知され、対応するために空母を横須賀に展開し、最大の警戒態勢を取っている。挑発が起きれば、すぐに対応するという動きですね」と指摘する。
バイデン氏が3日間の韓国滞在中に北朝鮮は静観するしかなかった。高氏は「ミサイル発射でもしようものなら、すぐ報復を受ける可能性もある。F―35Cは極めてステルス性が高く、目標へピンポイントで空爆を行うためのパトロール飛行の任務を帯び、既に北朝鮮の領空に入った可能性も極めて高い。過去、米軍のSR―71ステルス偵察機のパイロットが北朝鮮領空で何度も飛行したと証言しています」と語る。
空母打撃群や最新鋭戦闘機がスタンバイし、グアムのアンダーセン空軍基地からは2時間で北朝鮮を爆撃可能な爆撃機が配備されている態勢も変わらない。もちろん北朝鮮対策と同時にウクライナに侵攻したロシアや台湾有事の懸念がある中国をけん制する狙いもある。
「バイデン大統領は北朝鮮をならず者国家として、相手にしていないが、韓国だけでも日本だけでもなく、同時に訪問したことで、日米、米韓同盟が朝鮮半島の安全保障と平和の二本柱になっていることを証明することになる。北朝鮮がミサイル発射や核実験に踏み切るとしたら、バイデン大統領が帰国した後でしょう」(高氏)
ヘビににらまれたカエル状態の正恩氏はとても暴発できる状況ではなさそうだ。










