【取材の裏側 現場ノート】いま日本人で最も海外で活躍しているサッカー選手は誰か。様ざまな意見があるだろうが、イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルで奮闘する日本代表DF冨安健洋(23)を挙げる人は多いはずだ。

 昨年9月にイタリア1部ボローニャから加入すると、世界最高峰といわれるプレミアリーグ、しかも伝統ある名門で瞬く間にレギュラーの座を獲得。いまや中心選手として辛口の現地メディアからも、その実力が称賛されるほどだ。

 なぜ冨安はいきなりここまでの活躍を見せているのか。ハイレベルなプレーはもちろんだが、英語力の高さも大きな理由だ。入団した際にクラブの公式SNSなどでインタビュー動画が公開されると、そこで通訳を介さずに流ちょうな英語で受け答えする様子を披露。ファンの間から「英語が上手すぎる」などと驚きの声が上がった。海外でプレーする際に言葉の壁で苦労する選手も多い中、チーム内でコミュニケーションが円滑にできることは成功を目指す上で重要だ。

 冨安がここまでの英語力を習得できたのは、早い段階から人知れず努力を重ねたからだ。

 2018年1月にJ2福岡からベルギー1部シントトロイデンに移籍して海外挑戦の第一歩を踏み出したが、移籍して間もないころにクラブを視察したJリーグの原博実副理事長は「かなり英語の勉強をしている」とその猛勉強ぶりに舌を巻いていた。

 そして注目すべきはその学習法。「DMM英会話をやっていると言っていたよ。それでかなりしゃべれるようになって、だいぶ手ごたえを感じていた」。クラブを運営するDMMが提供する学習サービスを積極的に活用して、短期間で高い英語力を身につけたのだ。

 サッカーと英語の〝本場〟で確かな実力を見せる冨安。今後のさらなる飛躍が楽しみだ。

(サッカー担当・渡辺卓幸)