新型コロナ禍が6月の欧州選手権開催にも影響か

2020年03月12日 16時40分

 ついに世界最大級のサッカーイベントも大ピンチか。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、欧州チャンピオンズリーグ(CL)や欧州リーグ(EL)、さらに各国リーグ戦の一部が無観客試合で行われるなど欧州サッカー界は混乱に陥っている。そして、6月開幕の欧州選手権にまでその危機は迫ってきた。

 欧州サッカー事情に精通する複数の関係者によると「欧州選手権が予定通り行われるのは難しいのではないか。東欧の国を中心に開催を疑問視する声が出てきている。今回は欧州全域での共催で人の往来も多くリスクが大きい」と欧州での急激な感染拡大を受けて出場国の間で不安が広がっているという。

 欧州選手権は4年に一度開催され、W杯に次ぐサッカー界のビッグイベント。大会は年々規模が拡大しており、今回はついに史上初めて12か国による多国共催の方式となった。しかし欧州で新型コロナウイルスの脅威が広がる中で、これが裏目に出た格好だ。24か国の出場国が12か国の会場で試合を行うため、選手やスタッフはもちろん多くの観客が大移動する。会場にはイタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、出場国にはフランス、スイスと感染者数が急増している国が含まれている。

 だが、欧州選手権は大きなカネが動くだけに開催方式の変更は一筋縄ではいかない。主催する欧州サッカー連盟(UEFA)の前回大会の収益は約2200億円。「今大会は10数%の増収が見込まれている」(大手広告代理店関係者)と2500億円もの収益が予想されている。もし中止となれば経済的損失は甚大。収益の半分は放映権料のため、無観客試合や開催地の変更などが今後検討されそうだ。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)は「UEFAの会議に出たときには危機感を持ち分析をしつつも、ユーロ(欧州選手権)をやめるという議論はなかった」と語ったが、一方で「ただ、これだけ爆発的に増えているので、欧州も状況は変わっている」と今後の感染拡大も危惧する。世界屈指の大会の動向に注目が集まる。