スペイン1部ビリャレアルのウナイ・エメリ監督(48)が、日本代表MF久保建英(19)の出場時間が少ない現状について〝釈明〟した。

 久保は今夏に保有元のレアル・マドリードからレンタル移籍を模索する際に、スペイン国内外の強豪クラブが獲得に乗り出して大争奪戦に発展。その中でビリャレアルが獲得を熱望し、欧州リーグ(EL)の出場権も後押しとなって加入が決まった。入団会見には多くの報道陣が殺到するなど異例の注目度の高さで開幕を迎えたが、リーグ戦では5試合すべて途中出場でベンチ要員にとどまっている。

 こうした状況にスペインメディアからは批判の声も上がっており、Rマドリードも激怒しているとの報道が続出。そうした中、12日のスペイン紙「アス」でインタビューに応じたエメリ監督が久保の起用について〝真相〟を語った。

「クボは素晴らしい少年だ。成長したいという強い意欲を持っている。彼は最高峰のレベルに達する初の日本人手になるという挑戦があることを意識している」と強い野心を評価したうえで「そうなってほしい、そのプロセスを早くしてほしいと望む人々も多い。だが急がせるのは良くない」と周囲のプレッシャーにより拙速に重用することはしないと断言した。

 その理由をこう説明する。「全てのポジションやオプションで勝負できるように成長しなければならない。7番のポジション(右サイド)がベストだが、そこには厳しい競争がある。中央は改善しようと取り組んでおり、左サイドはさらなる成長が必要だ」とチーム事情や、久保が高いレベルでプレーできるポジションの少なさが出場機会に影響しているという。

 久保に対する冷遇で自身の批判が高まっている現状を「メディアが騒いでいるのは分かっている」と理解しつつも「ピッチ外でスターだが、ピッチの中でそうでなければならない」とバッサリ。

「我々の義務は、可能な限り最善の形で実行し、目標に到達することだ。目標の達成は全ての人々、チーム全体のためにあるもので、一人の選手のためのものではない」と久保を特別扱いしないことを断言した。

 強豪で飛躍が期待される久保だが、成長のためには地道にアピールを続けるしかなさそうだ。