Jリーグは先週末に約4か月ぶりでJ2が再開し、J3が開幕した。7月4日にはJ1再開を控えており、通常モードへの第一歩を踏み出した中、日本代表とJ2東京Vのサポーターで、日本代表オフィシャルパートナーを務める飲料メーカー「キリン」のプロモーションにも参加した「全力さん」こと加納広明氏に思いを聞いた。

 当面は無観客開催のためスタジアムに足を運べないが、待ちわびた日がやって来た。加納氏は「プレーできなかった選手、クラブの経営などでみなさんが大変だった中、やっと始まった。長かったですね。中断期間はいつ始まってもいいように、声出しや体力面の維持など準備はしていたし、過去の応援動画を見て気持ちを切らさないようにしていた」と感慨深げ。

 再開への見通しが立たず何度となく先延ばしになり、東京Vに対する応援、サポートへのモチベーションを失いかけた仲間もいたというが「始まったら気持ちが戻ってくれた」と安堵の表情を浮かべた。

 一方でネットを通じての観戦にも細心の注意を払った。「(スポーツ動画配信サービス大手)DAZNで試合を見ていたが、あまり(サポーターが)集まり過ぎないように気をつけた。多くの人が集まって見てしまって、何かあったらクラブに迷惑がかかる」。多くの仲間が集まってチームの後押しをしたい気持ちを抑え、少人数観戦を徹底したという。

 7月10日以降は段階的に観客を入れていくものの、声出しなどは禁止され、自身の代名詞でもある「全力応援」ができるメドは立っていない。「そこはつらいけど、耐えていきたい。スタジアムに行けるようになれば仲間にも会えるので」

 現段階では通常運営までしばらく時間がかかりそうだが、加納氏はその日を信じて愛するチームを全力で支え続ける。